6日の入学式も終え、萌ちゃんは昨日からお兄ちゃんと二人で登校しはじめた。
元気で楽しそうだ。
長い春休みも終わり、二人だけの火が消えたような空間が戻ってきた。
何か物足りなさを覚えている。
門の前の北向きの道路脇に、わずかな雪のかたまりが見える。
いつの間にか雪の消えた庭に、小さな春を見つけた。
福寿草、ミスミソウが咲き出し、イチリンソウも開きかけていた。
裏庭のミスミソウが心配で厚い落ち葉をよけると、いっぱいのつぼみが固まって出ていた。
毎年、決まって春一番に間違いなく咲く可憐な紫の花だ。
ヒヨドリが飛んできて、何かくれるのを待っていた。
急いでぼけたリンゴを小さく切って放ると、じきに舞い降りてきた。
午前中はカワラヒワが賑やかにさえずっている。
みんなが待ちわびた春を楽しむかのようだ。本当の春が来たのだ。(2011.4.7)
カワラヒワ