中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

「吹き替え版」の話

2013-03-09 12:30:00 | その他
■ついに加入■

 アメリカのTVドラマ「ソプラノズ」が大変面白く、そのことに関しては以前にもこのブログで触れたが、見終えて以後は「何か面白いドラマはないものか?」とあれこれ物色していた。
 そんな中、そのソプラノズの主役である、トニー・ソプラノの妻(=カメラ)を演じていたイーディ・ファルコさんが主演の「ナース・ジャッキー」(http://www.wowow.co.jp/drama/nj/)というドラマを知った。
 早速シーズン1を通しで宅配レンタルして鑑賞したのだが、これまたブラック・ユーモアにあふれていて大変面白く、「以後のシーズンも続けてレンタルを」と考えていた。しかし、本国ではシーズン4まで進んでいるのにも関わらず、日本ではレンタルの予定すら立っていない状況となっているのだ。そういった状況を知れば知るほど、どんどん見たくなるワケであり、同じくハマッている妻共々「何とか見る方法はないものか?。」と、あれこれ模索していた。
 それでもいつDVD化されるかも知れず、定期的にチェックをしていたのだが、昨年末、ついにWOWOWから、「今春シーズン4を放送するにあたって、シーズン2~3を1月初旬から一気に放送!」という報が入った。あれこれ迷う時間はなかったので、年明け早々WOWOWに加入し、その放送日を待ちわびていたのだが…。


■吹き替え版だけとは…■

 ついに、待ちに待ったシーズン2の放送が始まった時のことである。「二カ国語放送」と番組欄にあったので、いつものようにDVD等で映画を見る要領で音声を英語にして、字幕スーパーを出そうとしたのだが、これが表示されない。「おかしいな?」と思って調べてみたところ、WOWOWの二カ国語版では音声を英語にした場合は字幕スーパーが出ず、と言うか始めから設定が無くて、ボクのように日本語しか解らない者は吹き替え版を見るしかないということだった。また再放送ではなく新たに始まるシーズン4では、初回放送のみ字幕スーパー版が放送された後は、全て二カ国語&吹き替えの字幕スーパー無ししか放送しないということだった。
 色々と考えはあるだろうけど、ボクはオリジナル音声と字幕スーパーとの組み合わせが最上のものと考えている。昔と比べて現在の吹き替え版はクオリティが高くなっているのは聞き及んではいるものの、あくまでもそれは声優さんの声であって、違う演出が入っているのは間違いのないところであり、当然だが演技者自身の演技ではない。
 そんなことはボクなんかに説明してもらわなくても理解できるだろうけど、演技者から発せられる声そのものも含めての演技であり、言葉そのものが理解できなくても伝わってくるモノは大きいと思う。そして、ボクの場合は字幕スーパーはオリジナルの音声(=演技)と並行して内容をより理解を深めてゆく手段だと思っている。また、特に日本語には無いスラングや汚い言葉は翻訳し切れるモノではないから、スーパーを読むというよりも、原語そのままを受け止めるようにしているのだが…。
 調べてみると、今や封切映画の中では、吹き替え版は3割を超える割合で上映されているということらしい。また、20歳未満であれば半数近くが吹き替え版を選んでいるという調査結果も出ているそうだ。今や字幕スーパー版に想像力を働かせながら鑑賞することは「面倒くさい」という流れになっているのだろうか?…。


■普及の背景■

 吹き替え版が増えた経緯を調べてみると、「洋画をアニメの延長として捉えているので、すんなりと移行できる」ということが第一にあるそうだが、その実、アニメが隆盛した影響で、50年ほど前には200~300人規模だった声優が、現在では6万人規模になっているそうだ。
 他に、「活字離れの影響で、文字を目で速く追うことに慣れていない人が増えたせいかも知れない」という、日本語学教授のコメントをある記事で読んだが、その裏付けとして、1カ月の読書量がゼロという人の割合が09年で既に46%に達しているという、16歳以上を対象とした調査結果(文化庁調べ)が挙げられていた。その現状に「”識字率世界一”と言われていた日本はどこに向かうのだろうか?」と、つい、心配になってしまったが…。

 ボクら世代が子供の頃、洋画の吹き替え版を採用しているのはディズニーアニメと「○○ロードショー」等のTV放送時くらいであった。そして、映画館の洋画はほとんど全てが字幕スーパー版で上映されていたのだが、少年時代は何となくそこに大人世界とのラインが引かれているように思え、字幕を読みつつ映画を見られるようになることは、チョっとだけだが大人になることのような感じがあった。だが、今はボクらの時代とは違って、そのラインが薄れて、どんどん大人文化が浸食され、崩れてきている時代なのかも知れない。そして振り返ればこの傾向は他にもあるように思えてくるが、それは今の青少年世代が進歩しているからそうなったのか、それとも大人側が子供側に媚びているからそうなったのか、判断は難しい。しかし、「現在大人である我々世代が大したことがないから、こんな風潮になっているのか?」とも深読みできるワケで、そう考えると思い当たるフシもあるから少々凹んでしまう。

 過去には映画「カサブランカ」の名台詞に対する「君の瞳に乾杯!」といった、英文学の教授達をも唸らせる名翻訳があり、一つの文化になっていた洋画の字幕スーパー版。まさか、それが今後ゼロになることはないだろうけど、今年50歳になる身としては、住むテリトリーが狭まる要素がまた一つ増えている現状に、寄る年波を感じる今日この頃なのである。
コメント
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