中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

ヒラマサの完全フカセ釣り 「FAQ(Q&A=よくある質問と答え)」 ~その1

2018-06-02 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
 先週は釣行していないため、緊急企画として、こんなのを書いてみた。

 ボクの周りの友人には、釣りを趣向する人間は皆無で、仕立船へは、兄もしくは、乗合船に集う顔なじみと乗船するのが全てだ。残りの釣行は当然乗合船への乗船となるが、そこで居合わせた人から、質問を受ける事があるし、ボクの方からも自分の釣りに反映させるため、時折質問をする。そんなやり取りの中から出た「FAQ(Q&A=よくある質問と答え)」を今回は記してゆく。ただし、いつもの事だが「釣りには絶対は無い」ので、あくまでもボク流のアプローチから見た答えであり、上級者の方から見れば「何を言ってるの?」という部分があるかも知れないし、そもそも竿を出す地区での違いもあるので、初心者の人が「何をすれば殻が破れるのか?」程度に捉えてもらって構わない。「まぁ、そこは一つご容赦を。」


■Q=「そのウキみたいのは何ですか?」■

 A=「浮力のある発泡ウキ、もしくは水中帆のための潮受けウキゴムです。」

 ボクが完全フカセ釣りを始めた20数年前、釣り雑誌等の仕掛図には、水中の流れを受け止める帆と、浮力を調整する役目として、通称“しょうゆウキ”と言われる、弁当にしょうゆを添付する際に使われる小型ポリ容器風のウキがよく記載されていた。このウキはオモリが内蔵され、中に入った空気と、キャップから中に入れる海水の量によって浮力を調整するという、便利な物だった。当時のボクもその存在を知ってはいたが、それまでのグレ釣りでの経験から、魚の疾走による衝撃や水圧によって内部に海水が浸入して浮力が変わるので、敬遠していた。
 また、その頃は水中ウキ=マイナス負荷のウキと理解していたので、沈む方向にのみ目が行っていた。その発想が覆ったのは福井県・鷹巣沖に通うようになってからだった。初めての乗船時、船長から「発泡ウキは持ってきたのか?。」と、問われ、よく解せずに見せたのがマイナス負荷の、グレ釣り用の水中ウキだったので、「話にならん。」と、言われた事を記憶している。
 その船長に怒られながら使い方=「比重の重いフロロカーボン製の道糸に浮力体を装着して、沈み具合を調整する」という、用法を伝授してもらい、現在に至っている。

●発泡ウキの各サイズ●


 この発泡ウキは、一流ししてサシエサが盗られれば次の流しでは番手を上げる事で浮力を増し、サシエサが残れば番手を下げる事で浮力を増減らして、サシエサがギリギリ残る層を探していくため、5番~8番程度をそろえておき、8番1個で浮力が足りなければ8+5といった具合にダブル掛け、あるいはそれでも足りなければトリプル掛けといった具合に使用する。

●ダブル掛け(ウキ留めゴム&ウキ留め糸で固定)●


 この使いこなしを覚えて以降、発泡ウキ使いはボクの完全フカセ釣りにおける基本になっているが、二枚潮、あるいはそれ以上の多枚潮(?)時にイメージ通りに流せない事がある。
 例えば上潮が速く底潮が緩い場合だが、昔のボクは「上から撒いたオキアミが速い上潮に乗って遠くで効き、そこに浮上してくるヒラマサを狙う」イメージで流し、それでもある程度の釣果を得ていたが、スレたヒラマサが徐々に増えてきたのか、はたまた絶対数が減って先を争う必要がなくなったせいか、近年では上潮に乗せて遠くまで流していっても不発になることが多い傾向にある。そこで、逆にもっと手前で遅い底潮に乗せてみたところ、釣果を得る機会が増えている。
 そのためには仕掛を下層に入れた後に、道糸が上潮にとられて「つの字」になって流れないよう、道糸の出具合をセーブして流す必要があるが、単にスプール回転にブレーキを掛けただけでは仕掛が浮き上がってしまうため、それに対抗する相応の重さと水中の流れを掴む抵抗=水中帆が必要になる。そういった釣法を成立させるために、近頃のボクの釣りで使用頻度が上がっているのが、いわゆる水中ウキだ。
 水中ウキは、磯からの上物釣り(主にグレを狙う)で、風と潮の流れが違う際に使われたのが最初だと思われる。そのサイズの大~小で潮を受け止める抵抗を増減させ、マイナス負荷で沈み具合を調整するのだが、主に涙型のシルエットをした木製=黒檀製もしくはプラスチック製の物が多い。このタイプは1個あたりの単価が特に黒檀製は高価なため、各種を揃えるとなると結構な出費になり、ロストした際の痛手も大きいのがネックだ。

●磯(波止)用の水中ウキ●


 そこでボクが目をつけたのが、磯の上物釣りで“潮受ウキゴム”と呼ばれる、シリコンゴム製の器具だった。これは中通しのウキに道糸を通した後、ウキがサルカンやハリスとの結び目にズリ下がらないようにヨージで留めていた、ただのウキゴムに、水中で帆となる潮受け機能を持たせたモノだ。

●シリコンゴム製の潮受ウキゴム(キザクラ社・クッション水中LL)●


 まず、このタイプは材質的に安価であるのが有り難い。コレに鉛等のオモリを打ち込んでマイナス浮力表示されているタイプもあるが、それだと涙型と同様、タイプ別に揃える必要があるため、ボクは 浮力がゼロのタイプで、最大サイズをの物を選んでいる。
 実践の最中での、マイナス方向への浮力調整は、この下に打つガン玉の有無や大小で変えてやれば事足りるから、調整時に道糸を切って結び直す回数が減って、素早い対応が可能になるし、潮受けの抵抗をもっと増やしたくなれば複数個装着すれば良いだけの事だ。

 小さな潮受ウキゴムだが、コレ1個を装着すると、スプールのフリー回転や巻き上げの抵抗感が変わる事に気付かされるはずだ。それだけ効いているという事なので、ヒラマサの口元にサシエサを届けるために是非とも揃えていただきたいアイテムの一つだ。
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