中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

只今研究中 ~その1

2018-06-16 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
 本気で釣りを始めてから35年以上になり、その長い?歴史の中で思いつきを元に実践した釣法は多々あり、失敗も結構あった。それまで真剣に取り組んできた磯のグレ釣りから完全フカセヒラマサ狙いに転向してから7年以上が経ったが、この釣りでもブログで紹介した事以外に様々なアプローチを行っている。その中から「試している事・試したい事」について、今回から2回に分けて記してゆく。


■磯の本流釣り■

 ブッ飛び潮が流れて、「完全フカセでは釣りにならない。」となるシーンがたまにある。こんな場合、船釣りの常識から考えると、「天秤ズボ釣りに変えようか?。」と、つい思ってしまいがちだが、これをずっと疑問に思っていた。それは、振り返れば、「過去にもっと速い潮の中で釣りをした事」がボクの経験にあるからだ。

 磯からのグレ狙い、特に離島で尾長グレを狙う際の釣法として、「本流釣り」というのがある。その経験地がボクの場合、伊豆諸島の神津島&銭洲や九州の五島列島とそこからさらに沖の男女群島等だが、中でも男女群島の中ノ瀬戸にある、帆立岩というポイントは“激流中の激流”だった。なにしろ、潮が当たる側は激流を受けて盛り上がり、潮下に向かって段差をつけて渦を巻き込みながら流れてゆくのだ。

●男女群島の激流●


 実際に時間を計ってはいないので、竿先を送った感覚から流速を推測すると、100mあたり3分もかかっていなかったと思うが、この激流を嫌って磯の潮裏に仕掛を入れてしまうとエサ盗りが多く、そこから速い本流側に近づくと口太グレが増えてくるが、本命の尾長グレは本流との際や、喰いが上向いている状態になれば本流側から仕掛を馴染ませても喰ってくるのだ。回遊時期になると、ヒラマサやキハダマグロ等の青物系も同様のポイントで喰ってくるのだが、この事実から考えを巡らせ「我々が船上で困難に陥っているほどに、ヒラマサは喰うに困っていないのでは?。」と考えるに至っていた。

 帆立岩の釣りでは道糸が4号&ハリスが5号のセッティングで、どんぐり型(円錐ウキ)の、通常サイズよりも大き目の遠投用ウキを使い、そのウキの負荷より重いガン玉を3段に分けてハリスに打って強制的に沈め、そのマイナス浮力?の増減で仕掛けの入り方を調整していた。
 また別の急流へのアプローチとして、離島の釣りではないが、例えば愛媛県下の豊後水道のように潮流がブッ飛ぶ水道筋に潜むマダイをターゲットにする際には、磯のフカセ釣りとしてはオモリ負荷の大きい1~2号負荷のウキを装着して一気に上層を突破させ、中~下層の潮に乗せて狙う事もあった。

 ここで本題だが、「この方法を船で試せないか?。」と、ずっと考えていて、ボクのタックルボックス内には常に完全フカセでは使われない、かと言って、カゴを背負わせるウキ流しでも使わないサイズのウキ類が収まっていたが、ついにそれを使用する機会が、実は昨年の玄達釣行時にあったのだ。


■磯釣りスタイルのフカセ釣り■

 その日の状況は、二枚潮気味で上潮がかなり速く、通常の発泡ウキ仕掛では攻略できず、水中ウキ(潮受ウキゴム)を入れて張りを入れる方法でもポツポツと釣果が出る程度だった。そんな中、取り出したのが、10号負荷のウキだった。しかしこれ、下写真を見てもらうと解るが、「釣具店で買うのも、現場で使うのも気恥ずかしい」代物だが、それもそのハズ海上釣堀や防波堤の飛ばしサビキ等で使われているウキだ。

●恥ずかしい?ウキたち●

 10~15号負荷としたのは、磯釣りよりも道糸が太く、タナが深くなる可能性があるためで、コレを装着してサルカンから下は完全フカセ時と同じ仕掛を使った。問題はウキ止めの位置だが、自分に「このくらいだ。」という基準が無いため、船長に「ヒラマサって、この状況だと何mくらいまで浮上するの?。」と訊ねてみた。
 すると、「上から15mくらいでしょうかね?。」という、答えが返ってきたので、サルカンから6ヒロ(9m)の位置にウキ止めを上げてみた。これで仕掛けの長さ6mが加わって、先バリまでが15mになる。
 そして第一投。マキエサは完全フカセ時と同じ要領で入れ、ウキが馴染んだ時点で糸送りを10秒ほど止めて、仕掛の張りを作り、そこから先はメカニカルブレーキを絞ってスプールの回転を制御しながら流していった。これは磯の上物釣りでは基本中の基本である「上層の流れは中~下層よりも速く、風の影響を受けるので、道糸を張りながら流す」と「重い仕掛けは特に強く張る」を実践したためだ。

 この釣りではウキは見ずに竿先でアタリをとるのが基本だが、何と一投目の70m付近で竿をひったくるアタリを捉える事に成功した。そして続いての流しでも同じポイントでアタリがあり、連続ゲット。その後はエサ盗りが出てきたが、タナを上げる事でそれをかわし、数本獲る事ができた。この間、通常の完全フカセで流していた人には釣果がなかっただけに効果は絶大だった。

 但し、難点があった。当日の感覚からすると、乗船人数が増えると流れるコースが交差しそうで、高確率でオマツリが起こるような感じだった。よって以後は試す機会が無かったが、この日、こうやって二枚潮時の、一つの攻略パターンを見つけた事は大きかった。今年の玄達瀬では更に一段上の次元に持っていきたいところだが…。

 ~その2に続く
コメント
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