都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
刃物を縁起物として贈る風習は昔からの伝統だそうです。
しかし、「結婚などに切れるものを贈るのはタブーじゃないの」と思う方も多いと思います。
結婚のお祝いとして「切れる」や「割れる」を連想する贈り物はタブーとする考え方がありますが、これは間違いです。もしも、このタブーを守るのであれば、結婚式ではケーキカットが行えないことになります。
よく考えてみると、刃物はお祝いのときに良く使われているのです。
現代においても、道路などの開通式などでのテープカットでは「鋏」、結婚式でケーキカットは「ウェディングナイフ」、造船場での進水式の「斧」など、おめでたい縁起物として広く利用されているのです。
花嫁衣裳の打掛けには、「守り刀」である懐剣がご両親の代わりとして添えられます。また、古くから皇室では、悪や不運を断ち、幸運を呼ぶものとして、慶事に刀剣を贈る風習があると言います。ざっと例を挙げても、これだけ刃物は、「神聖なもの・縁起のよいもの」として扱われているのです。
「包丁」は、家の新築に際しては、「開運厄除」の新築祝いとして、また男女の厄年には神社やお寺に奉納した後に、「厄除け包丁」として一年の料理に使用いたします。
また、結婚したばかりのお嫁さんにとっても、初めての料理に合わせて贈ることも気の利いた贈り物として喜ばれています。
「包丁」をはじめとする刃物類は「人生を切り開く」という意味や「食物分配」という意味で非常に重要な道具として、縁起のいいものとして認められています。
お祝いの席では、参加者の前で包丁さばきを示す儀式が行われてきました。これは料理人や家の主人の料理の腕と、包丁の力を尊ぶ観念に由来しており。
この「包丁式(式包丁)」は古来宴席に於いて、当主が来賓を前にして座敷に俎板を設え、料理して見せたことに由来します。古式に依ると、賓客の前に俎(まないた)を持ち出して主人みずから庖丁を取り、その庖丁ぶりを見せて客をもてなす事を包丁式と言います。鯛、鯉、真魚鰹などを直接手を触れずに、左手に持った俎箸(まなはし)と右手の包丁刀で清らかに包丁捌きをする作法です。
平安時代に生まれ、江戸時代から式包丁は料理人の表芸となり、そこからさまざまな流派が生まれていきました。
この習俗は今でも社寺などの行事として残っており、食物分配調理の儀式が神への感謝の気持ちとして現れ、家族へのありがたい命の分配を、神の前で示す行為であると考えられます。
日本だけではなく欧州でも「ゲリドンサービス」として定着していることは周知の通りです。
ゲリドン
フランス語の綴りは「gueridon」。「ワゴン」のこと。特にフランス料理において給仕が顧客の前で、料理の仕上げの演出を行ったり、切り分けなどを行ったりするために使われるワゴンのこと。
また、余談ですが「割れる」という意味で避けるべきとされる皿や陶器類は、割れることは幸せが増えるという解釈があります。元々結婚とは、今までの家族から別れて新しい家族を創り出すことですから、「切れる」や「割れる」という言葉に神経質になる必要は全くないのです。
したっけ。