都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
■ひょう徳説
「ひょっとこのはじまり」 岩手県江刺市
あるところに爺と婆があった。爺は山に柴刈りに行って、大きな穴を一つ見つけた。こんな穴には悪い物が住むものだ、塞いでしまった方がよいと思って、一束の柴をその穴の口に押し込んだ。
何度も何度も柴を押し込み、とうとう刈り溜めた柴を全部穴の中に入れてしまった。すると、穴の中から美しい女が出てきて礼を言い、中に来てくれと勧められる。入ってみると立派な家があり、座敷には白髭の翁がいた。
帰るとき、みっともない顔の一人の子供を連れて行けと言われた。
家に着いても子供はへそばかりいじっているので、ある日、火箸でちょいとへそを突ついてみると、へそから金の小粒が出た。爺の家はたちまち富貴長者となった。
ところが、欲張りな婆が爺の留守中に子供のへそをぐんと突くと、子供は死んでしまった。外から戻った爺が悲しんでいると、夢に子供が出てきて、「泣くな爺様、俺の顔に似た面を作って、毎日よく目につく そこのかまどの前の柱にかけておけ。そうすれば家が富み栄える」と教えてくれた。
この子供の名前は「ひょうとく」といった。それゆえにこの土地の村々では今日まで、醜いヒョウトクの面を木や粘土で造って、かまどの前の釜男(カマオトコ)という柱にかけておく。所によってはまたこれを「火男(ひおとこ)」とも「竃仏(かまほとけ)」とも呼んでいる。
■天目一箇神(あまのまひとつのかみ)説
あまのまひとつ‐の‐かみ【天目一箇神】
天照大神が天岩屋戸に隠れた時、刀・斧など、祭器を作ったという神。後世、金工・鍛冶の祖神とする。天津麻羅アマツマラ。
『広辞苑』
「天目一箇神(あまのまひとつのかみ)」とは、『広辞苑』にあるように、天照大神が天岩屋戸に隠れた時、刀・斧など、祭器を作ったという神。後世、金工・鍛冶の祖神です。天津麻羅アマツマラ。日本の神話における一つ目の「鍛冶神」。『古語拾遺』に「雑(くさぐさ)の刀・斧(をの)及(また)鉄(くろがね)の鐸(さなき)を作らしむ」等の記述があるそうです。
「作金者(かなだくみ)」、「鍛冶職」の者は鉄を溶かす火処(ほと)を片目で見つめ火の色で溶鉱の度を判断する、という作業を長年おこなう間に片目になってしまうということで鍛冶の神が「目一箇」、一つ目になっている。またその片目の異形性から神格化されたとも考えられるようです。
このことから、鉄工・鋳物等をはじめとする日本金属工業の祖神・守護神として崇められています。また、農具や漁具を作ることから農耕や漁業の神でもあります。当然、火の神様ですから「家内安全」の縁起物です。
■ひおとこ説
ひょっとこ
《「ひおとこ(火男)」の音変化》
1 火吹き竹で火を吹くときのように口をとがらせ、一方の目が小さい、こっけいな顔をした男の仮面。また、その仮面をつけた里神楽の道化役。
2 男性をののしっていう語。「あの―野郎めが」
大辞泉
東北地方には木製あるいは土製の「ひょっとこ」の面を「竈(かまど)」の上にかけておく習慣があったそうです。「ひょっとこ」は一説によると「鍛冶の神」の系譜を引くもので、「火男(ひおとこ)」(火吹き竹で火を吹く男)が訛(なま)ったものとされています。
火男 は東北地方の「竃神」といわれ、火男の神は「ひょうとく」とも呼ばれ「家内安全」の縁起物です。
「ひょっとこ」のお面は、火男が火を吹いている表情をあらわしたものといわれている。火を吹いているから、口をとがらせている。また片目を細めているのは、煙が目にしみるためらしい。なるほど・・・。
両目がパッチリしているのは、正式には「ひょっとこ」とは言えません。
したっけ。