年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

激戦業界の個々の事情

2022年10月17日 | 宅老のグチ
最近の天候事情でコインランドリ-を衣類の乾燥のため利用している。ネットのニュ-スでランドリ-系の倒産があって記事の中でクリ-ニング業では下着は扱えないという。その理由が衛生問題となっている。
クリーニング業法第3条第3項第5号にある「伝染牲の疾病の病原体による汚染のおそれのあるものとして厚生労働省令で指定する洗たく物」に該当(クリーニング業法施行規則第1条の三)するので、別途に保管し、熱や化学的な物質を用いて消毒しないといけないことが定められているからです。ホテルとか医療関係の専門の業者が分別し洗濯するしかなく個人の下着を業として扱うのは料金が高くなって無理のようだ。
 漬物業は比較的素人が参入しやすい仕事で道の駅等で個人の自家製の漬物が販売されています。比較的に自家製は発酵していて試食はおいしいと感じます。
 ところが大量に売れるに従い、商品の表示が大切になります。多くの問題点が賞味期限、場合によっては消費期限の問題が出てきます。温度管理が適切になされないと10度を超えると乳酸発酵が促進され、ポリ袋内で発酵が進みガスが発生します。よく韓国の空港売店で購入したキムチを時間が短いと言って保冷剤をケチり、航空機の客室内に持ち込み、荷物棚内で発酵した時発生するガスで爆発します。当然旅行ケ-ス内ではキムチ汚染となります。この場合は保冷材等を入れ発砲スチロ-ル容器に入れるか、日本で韓国系のキムチを購入したほうが良いと思います。日本と韓国では白菜の質が異なるし、気温も違うので感触として味が違うと感じるようです。
最近は日本国内で韓国と同じようなキムチが販売されています。もしかすると韓国内の激安中国産キムチより品質が良いかもしれません。信用を重んじる日本は一度失うと二度と復活できません。どうも韓国では安さの方が優先のようです。

同様の事例が秋田の地域特産品の燻りガッコに問題があります。
令和3年6月に、改正された食品衛生法が施行されたことで「いぶりがっこ」は危機に直面しています。販売するためには、2年後をめどに保健所の営業許可が必要となったのです。
平成24年に北海道の食品会社が製造した浅漬けが原因で160人余りの大腸菌0-157による集団食中毒が発生し、8人が亡くなった事故がきっかけでした。秋田の地域特産品としてこの頃から全国に広がり、食品衛生の問題が広域化されるようになって、県として規制せざるを得なくなった背景があります。
 漬物業は設備が昔から自家製が多く衛生設備が不要と考えられ、梅干しなどは食中毒がおこらないと思っていて、営業許可証の無い地域もありました。
 また小規模な漬物製造だと排水の問題は懸念されず、大きくなるの従い臭いと塩分の強い排水が塩害を引き起こします。浄化設備は費用が掛かり、さらに非需要期でも稼働させないと劣化が進みます。自家製なら安いので価格が上がらずその結果は海外製造に向かったのです。円安の今でも国内で製造が進まないのは色々な事情があるのです。
秋田の燻りガッコの問題を解決するのは製造する場を協働化し設備の補助金を申請し、各自の味は個々のブランドで行けば持続可能となります。あまり秋田県にこだわると、災害等で地域の大根が不作となった時逃げ場がありません。多くの名産漬物が消えたのは不祥事と天災でした。天災時に品不足となり、今まで作っていないところ製造を初めてそれなりに売れてしまったことから、後で復活した漬物の販路が消えることもあります。品切れは怖い。



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