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 年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

震災復興って色々な考え方があることを知る本

2024年01月21日 | 宅老のグチ
関東大震災  -その100年の呪縛- 畑中 章宏
 能登の地震で知った本でなく、関東大震災の100年の出版ブ-ムを狙った本でどうも能登地震後に借りだしてもすぐに読むことが出来た。内容は他の震災本と違って、民俗学的な震災後の分析が気になる。今後も日本列島に住む限り、震災等の自然災害に付き合わないといけない。そこでの分析で畑中氏は対策が進んできて、震災と台風等の風水害と区別するようになってきたという。
 この本は第三部の災害を(社会現象と)として捉える ここにこの本の価値がある。大正時代の好況から不況へ向かうときに起きた自然災害で昭和史の前章となる。しかし大正なのだ。震災時の社会主義者の弾圧は、昭和に入って合法化された。世界と付き合わないといけないのに日本の論理で朝鮮中国に向かって行くしかなかった。今から思うと無謀と言えるが当時の文献を読んでいると精神論が強く、議論がまともでない。
 天譴論(てんけんろん)渋沢栄一の言い始め
関東大地震発生から8日後、渋沢栄一は新聞のインタビューで、「天譴論」(てんけんろん)というのを述べた。この地震は天からの「おしかり」であるという。
「大東京の再造についてはこれは極めて慎重にすべき。天の怒り。明治維新以来帝国の文化は進んだが、その元は東京横浜であつた。それが震災で全潰したのである。しかしこの文化は天の道理にかなった文化であつたらうか。近年の政治経済は政治は私利私欲を目的とする傾向はなかつたか。余は天の怒りと思う」
著者は畑中氏はこの天譴論が間違っていると記述している。
1天罰が腐敗堕落している人たいして下っていない。天災は無縁な人に罰を与えた。被服廠に逃れた人はなけなしの財産を持って逃げた。亡くなった人の大部分は下町の貧しい人。
2事件は天でなく人間によって引き起こされる。この項目は第一章と第二章を読まないといけない。
災害と日本人 : 巨大地震の社会心理 ;  広井脩 著 
この本で日本人の災害感が3つのタイプがあって、天譴論、運命論、精神論という。広井脩 によると運命論が自己の悲劇性を緩和する効果があるという。自分よりもっとひどい人がいるではないか。
 災害の多い日本人はどうも他の国より打撃からの復興が早いという。この様に書かれて、本の中に自分が生きていた戦後の地震の記憶が神戸・東日本震災しかとっさに浮かばない。北海道の地震、奥尻島、秋田沖の津波、福井地震、新潟の液状化の記憶、仙台の地震もあった。ネットの地震状況を見ると毎日揺れている。震度3程度では寝ていても起きない。

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