透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

狛犬って何?

2013-04-20 | F 建築に棲む生き物たち





 狛犬についてウィキペディアしてみると、飛鳥時代に日本に伝わったとある。その時は左右対称の姿だったが、平安時代になると左右で姿・形が異なるようになったようだ。

ここで思うのはお寺の伽藍配置のこと。伽藍配置も左右対称で日本に伝わってきた。が、やがて左右非対称に変わっていった。

日本人には左右対称のような自然でないもの、不自然さを嫌う性向があるようだ。左右で形の異なる狛犬も伽藍配置と同様、このような日本人の非対称への志向の表れではないかと思う。

阿形、吽形といえば仁王像だが、狛犬にもそのデザインを採り込んで左右非対称にした・・・と、とりあえず我が珍(?)説を挙げておく。

狛犬という呼称については、神仏の守護神であることから拒魔犬(魔除け)だとする説、朝鮮半島経由で日本に伝わったことから高麗犬だとする説など諸説あるようだ。まあ、大半の文化が朝鮮半島経由で伝わってきていることを勘案すると、わざわざこの珍獣に限って高麗犬などと呼ぶことはないのでは・・・。拒魔犬のほうが、私としてはなるほど!と納得かな・・・。

ところで、のぶさんのコメントによると、ここ妙義山中之嶽神社には江戸中期の狛犬もある(いる)とのこと。確かにかなり損耗していて形がよく分からない狛犬を見かけた。でもしっかり観ることも、写真に撮ることもしなかった。やはり知らないもの、知識がないものは見てはいても脳が認識しないのだなあ・・・。それに美女ふたりの同行で気もそぞろだったかも・・・、いかんなあ~。


 


 


狛犬

2013-04-17 | F 建築に棲む生き物たち


妙義山中之嶽神社の彩色狛犬

■ 前稿に載せた伊勢神宮を紹介する雑誌を同僚のN君(彼も御白石持行事に参加予定)に見せた。彼も買い求めていた。ただ、まだ読んでいないとのことだった。

N君に「U1さん、一般の神社にはあるのに、伊勢神宮にはないものってなんだか分かりますか?」と訊かれた。その答えは狛犬だった。では、なぜ伊勢神宮には狛犬がないのか? 

天照大御神が伊勢の地に鎮座したのは紀元前のこと、狛犬が日本に伝わってきたのは平安時代のことだという。そう、伊勢神宮ができたのは狛犬が伝わるはるか前のことだったからというのがその理由だとN君が説明してくれた。狛犬を後年設置した神社もあるだろうが、伊勢神宮はそうしなかったということだろう。

載せた狛犬は妙義山中之嶽神社もの。狛犬のルーツを辿るとどうやらスフィンクスにまで行きつく(?)ようだが、詳しいことは分からない。

これはレアものなんだろうか、それともよくあるタイプなんだろうか。狛犬好きなのぶさんにこの狛犬を鑑定してもらおう・・・。


 


干支の「なぜ」

2013-01-04 | F 建築に棲む生き物たち


棲息地:善光寺近くの店の入り口のドア 観察日130102

今年の干支は

詳しく十干十二支で言うと癸巳(みずのとみ)。十干の方はあまり話題にはならないから実はどれか知らなかった。ああ、情けない・・・。

ネコは十二支には入っていない。神様が動物たちに招集をかけた時、ネズミがネコに召集日を偽って元日ではなく2日だと伝えたため、ネコは間に合わなかった。で、十二支から外されてしまった。怒ったネコはネズミを追いかけまわすようになった。

本当はウシがいちばん先に召集場所の神殿に着いたけれど、ちゃっかり背中に乗っていたネズミがぴょんと飛び降りて、 ♪あんたが2番、私が1番、ハ、ドンドン と歌ったかどうか・・・。

ここで疑問が・・・

神様が動物たちに集合!と号令をかけたとき、なぜへびは召集を知ることができたのだろう・・・。そして集合場所の神殿に行くことができたのだろうう・・・。

へびは冬眠中だったのでは、なんせ冬なんだから。


 


善光寺に棲む生き物たち

2013-01-03 | F 建築に棲む生き物たち

 
棲息地:善光寺参道脇の観光案内所  観察日 130102(以下同じ)

牛に引かれて善光寺詣り 案内所に牛のブロンズ像が安置されています。鼻や角は何回も何回も手で撫でられるからでしょう、光っています。



棲息地:善光寺 山門の額 

通称「鳩字の額」と言われる額。この文字には鳩が5羽隠されているという。善に2羽、光に2羽、そして寺に1羽。寺の1羽は分かりにくいが筆順最後の点が鳩とのこと。また善は牛の顔にも見えるという。なるほど、2羽の鳩が角に見えてきた・・・。



棲息地:本堂正面の柱の根元



棲息地:本堂正面端の梵鐘

善光寺本堂正面の回廊の両端に梵鐘が吊るされている。この写真は本堂に向かって右側の梵鐘。梵鐘の頂部には龍頭(りゅうず)という名前が付けられている。写真を見ると確かに龍の頭だ。ちなみに梵鐘の突起は乳。他にも撞座、上帯、中帯、下帯、草ノ間、池ノ間などの名前が付けられている。
 


 


ドット

2012-08-07 | F 建築に棲む生き物たち


棲息地:松本市美術館  観察日 120721

   草間彌生展開催中の松本市美術館は内部も外部もドット、ドット、ドット・・・。

美術館正面のガラス面に棲んでいる水色ボディに黄色ドットの犬。名前はトコトンかな。

展覧会の会期は11月4日まで。芸術の秋、9月になったら観に行こう。



 


牛鼻(うしばな)に棲む鶴と亀

2012-03-13 | F 建築に棲む生き物たち


棲息地:松本市里山辺の蔵  観察日 120311

 「藤森照信展 諏訪の記憶とフジモリ建築」のカタログに収録されている「路上観察学会 座談会in茅野」で、藤森さんはこの部分には名前はないとした上で、「蔵ワッペン」みたいなものだと発言しているが、この部分には牛鼻という名前がついている。 

日本の建築文化の凄いところは事細かに名前がついていることだ。従ってこれだけの飾りに名前がついていないということなど、まずあり得ない。彰国社の「建築大辞典」にも確かこの名前は載っていたと思う。この辞典は手元にないので、今確認することはできないが。

この牛鼻には家紋や水、寿という文字を鏝絵でつくることが多いが、この写真のような縁起のいい生きものも少なくない。 


 
山形村にて


懸魚に棲む鶴

2012-01-11 | F 建築に棲む生き物たち




棲息地:松本市内田公民館の玄関 観察日20120108


 「建築に棲む生き物たち」、今年最初はおめでたい鶴です。松本市内田公民館は古い木造2階建ての建物です。きちんと確認しませんでしたが現在は使われていないと思います。前稿で紹介した火の見櫓の向かいにあります。その玄関の切り妻屋根に付けられている懸魚(げぎょ)に鶴が棲んでいます。

懸魚というのは元々棟木(上の写真よりも下の写真の方が分かりやすいです)や桁の小口をふさいで腐朽を防ぐ目的で付けられたものです。それがこのように装飾的な意味合いが次第に強くなってきたのです。 木造は火を特にきらいますから、中国では魚を吊すことがあったそうです。それが名前の由来と理解すればいいのでしょう。

懸魚ついては既に何回か書いています。鶴の棲む別の懸魚はこちら→過去ログ




棲息地:旧開田村の民家 観察日200904

火除けのために水と書いてあります。


棲息地:坂井歴史民俗資料館の唐破風@筑北村 観察日200912


 


鶴と亀

2011-12-14 | F 建築に棲む生き物たち

 かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ

この歌詞って意味がよく分かりません。

松本市内の住宅(だと思います)の玄関の独立柱頂部に棲む鶴と亀です。しばらく前から気が付いていました。今日信号待ちの車の中からカメラを向けて撮りました。こういう遊び心っていいですね。


棲息地:松本市内 観察日:111214


 


2011-11-15 | F 建築に棲む生き物たち

 「透明タペストリー」などという、田舎のカールおじさんのブログにおよそ似つかわしくないタイトルで書いてきました。このところ火の見櫓の記事が圧倒的に多いので、「火の見ヤグラーな日々」とタイトルを改めて書こうかな、などと考えないわけではありませんが、まあこのまま続けようと思います。

今回は久しぶりに建築に棲む生き物たちです。


棲息地:松本市の流通団地 観察日:111115

丸が横にふたつ並んでいると、ヒトはそれを顔として認識するように、どうやら神さまがプログラムしてあるようです。生まれて間もない赤ちゃんがよく見えない目で見ても母親だと分かるようにしてあるのでしょう、きっと。

ですから、丸窓がふたつ付いている外壁をみると、人の顔に見えてしまいます。そうなると、小庇と縦長の窓は鼻に、壁の手前のフェンスは口と歯に見えてしまいます。脳が顔として辻褄合わせをしてしまうからなんでしょう。

涙のあとがありますね。


 


立ち上がれ 日本!!

2011-10-04 | F 建築に棲む生き物たち

 

■ 松本の女鳥羽川(観光客でにぎわう縄手通りに沿って流れている川)にかかる千歳橋に巨大な「カブトムシ」と「サソリ」と「きのこ雲」の彫刻が設置されています。左の写真で歩いている人と比べると、「カブトムシ」の大きさは4メール以上ありそうです。

作品の説明板によると「カブトムシ」は日本の元気の象徴、「サソリ」と「きのこ雲」は災いの象徴だそうです。 両者を対峙させた展示ですね。

安曇野市在住の彫刻家(30年近くステンレス板を使って昆虫を創り続けている作家)の作品で、立ち上がれ日本!!というメッセージが込められているそうです。

東北の災禍を忘れないために展示をず~っと続けて欲しいです。


 街に棲む生き物たち


蔵造りの店舗に棲むネコたち

2011-07-21 | F 建築に棲む生き物たち


棲息地:松本中町の店舗 観察日:110721

 蔵造りの店舗2階の窓の外側にネコが棲んでいるのを見つけました。左のは耳が長いけれど、ウサギ程ではなく、やはりネコだと思います。このところ生き物さがしをしていませんでしたが、まだまだ松本市内の建築には生き物が棲んでいそうです。


壁のカメ

2011-05-18 | F 建築に棲む生き物たち


棲息地:松本市内の民間会社の外壁 観察日:110518

ベンゼン環のことを亀の甲と言ったりするが、亀の甲のことをベンゼン環とは言わない。でもこの亀の甲はベンゼン環・・・。 
亀は試験管を持っているのか、試験管に乗っているのか・・・。 松本にはこんな亀も棲んでいる。