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■『枕草子』清少納言 角川書店編(角川ソフィア文庫2001年7月25日初版発行、2024年9月20日70版発行)を読み終えた。
春は、曙。やうやう白くなりゆく、山際すこし明かりて、紫立ちたる雲の細くたなびきたる(第1段 上掲書12頁)。
春はあけぼの。やうやうしろくなり行く、山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる(岩波文庫の『枕草子』から引用した)。(過去ログ)
『枕草子』は複数の出版社の文庫に収録されていて、それぞれ表記が異なるようだ(全て確認したわけではないが)。ぼくはひらがなを多用した岩波文庫の表記が好きだ。きわめて主観的な私の印象だが、清少納言の美的感性をより感じるし、漢字表記だと硬くて、柔らかな印象から遠のくようにように感じるので。
清少納言がカメラを持って、美しいと感じる風景を撮ったらどんな写真になるだろう・・・。ぼくが全く気付かない美を風景に見い出すに違いない。
ただ過ぎに過ぐるもの 帆かけたる舟。人の齢(よはひ)。春、夏、秋、冬。(第245段 209頁)
清少納言はものごとを簡潔に、的確に捉える能力に長けていたことが分かる。平安の才女だな。
大河ドラマ「光る君へ」ではファーストサマーウイカさんが清少納言を演じた。『枕草子』を読んでいて時々、ウイカさんの顔が浮かんだ。