透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

前山寺の三重塔

2010-02-19 | A あれこれ


 上田市の前山寺 

三門(山門)の真正面に重要文化財に指定されている三重塔を望む。

安定感のある美しい塔だ。屋根の四隅の反りもいい。実はこの塔は未完成だという。ニ層、三層の柱の下部から四方に貫が出ていることからそのことが分かること、建立が室町時代と推定されることが説明板に記されていた。

しばらく前に取り上げた安楽寺の三重塔は八角形だったが、やはり四角形の塔の方が木造では自然だと思う。八角形の平面は中国の塔の様式。安楽寺の三重塔はその様式を踏襲したもの。

道路際の冠木門から直線的に続く参道、その長さ150メートル。この寺も「奥性」を意識した空間構成だ。日本人には奥を好む心性があることを再確認した。