透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

松本市島立永田の道祖神

2024-05-17 | B 石神・石仏




松本市島立永田の双体道祖神(彩色祝言跪座像)と文字書き道祖神(右)2024.05.17

 何に注目するかで写真の撮り方は違う。今回は道祖神に注目しているので右隣に立っている火の見櫓は一部しか写していない。




彩色祝言跪座像 黒く塗られた盃を持つ男神にやはり黒く塗られた酒器を手にした女神が跪いて寄りそっている。高さ約120cm、幅約80cm、像を納めた円の直径約70cm。男神と女神は内側の手をつないでいるのかな。双体道祖神は熱々カップルにしないと(過去ログ)。

『松本平の道祖神』今成隆良(柳沢書苑1975年)によると祝言跪座像は松本独自の造形で、祝言像の4割(19基/46基)を占めているという(171頁)。このタイプは北安曇郡や諏訪地方には全く見られないとのことだ(172頁)。


裏面 弘化二乙巳年二月吉日 帯代二十両 (1845年)

上掲の『松本平の道祖神』に松本の道祖神11基の帯代が表で示されている。30両が一番高く、5両が一番安い。平均値を求めると約15両となった。20両はやや高め、ということになるだろうか。同書には永田の道祖神は2度嫁入り(過去ログ)させられたため、帯代を20両と刻んだとある。尚、帯代については**天保年間から流行した「帯代」を刻むことも明治初期頃は、単なる装飾文字としての意味程度に考えられてしまったのであろう**(同書259頁)という記述がある。


側面 永田村


文字書き道祖神(造立年不明)高さ約60cm、幅約60cm。