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■ 『論理的思考とは何か』渡邉雅子(岩波新書2024年)を読んだ。
筆者は論理的思考はひとつではないと指摘する。**領域ごとに異なる目的を達成するために最も適した思考法が存在するということである。**(終章「多元的思考」162頁)とし、目的に応じて異なる論理的思考方法を使いこなすことが重要だと説く。このことを意識することで、自分も考え方、説き方が変わるかもしれない・・・。
論より証拠。証拠(根拠)を以て論ぜよ、と常に言いきかせているが、本書が示すように対象の領域(テーマと言い換えてもよいだろう)によってその理路、即ち論理の道筋と結論そのもののあり方が変わるということを再認識した。
さて、次は安部公房の『燃えつきた地図』(新潮文庫1980年発行、2022年38刷)。
少しでも多く読書に時間を割きたいので、読書メモ的な簡単な記事に留めています。