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JA洗馬本所向かいの火の見櫓(2回目の登場) 右側は消防団詰所、後方は地図によると図書館分館。
②
■ 背の高い火の見櫓だ。末広がりのフォルムは好ましいが、もう少しスレンダーな方がよい。3ヶ所ある踊り場の内、2ヶ所に半鐘が吊り下げてある。小屋根付き、これはよい。
脚をブレースでがっちりかためているが、やはり(写真④)のようなデザインの方が脚らしくてよい。機能をストレートに表現すること、それができるかどうかだ。脚を脚として表現できるかどうか、ということだが、これは案外難しいのかもしれないとも思う。脚とは何か、それを規定する形ってあるのか・・・。
最初の踊り場までは梯子ではなく、踏み面がある階段を設置してある。櫓の下部には丸鋼とリング式ターンバックルのブレース、上部には山形鋼と平鋼を交叉させたブレース(写真②)を採用している。洗馬地区では他にもこのタイプを見ている。スピーカーに占拠された見張り台。鋼材の接合部はボルトとリベットの併用。
③
鋼製の火の見櫓が盛んに建てられたのは昭和30年代、このことは既に書いた。やはり当時は図面らしい図面はなかったようだ。このことは昔火の見櫓をつくっていたという鉄工所の社長から聞いた。簡単な姿図(立面図)と平面図くらいのものだったらしい(その図面は一体誰が描いたんだろう・・・)。あとは鉄工所の職人の構造センス、つまりこんな風につくれば充分「もつ」という経験的・直感的判断と美的センスに頼っていたといったところか。では高さなどの基本的なことはどうやって決めていたんだろう・・・。火の見櫓の立地やカバーエリア、予算などを考慮してみんなで相談して決めたのかもしれない。
④
山形村中大池の火の見櫓 脚部と踊り場のデザインが実にいい。