■ 大学の研究室の後輩が所有する山梨県の本栖湖近くにある山荘に出かけてきた。途中で火の見櫓を見ようと、高速道路を使わず、一般道で往復した。見た火の見櫓は、往路で24基、復路で3基、計27基。本稿から過去に見たことがある火の見櫓も含め、全て掲載していきたい。
1413 茅野市ちの横内 4柱44型トラス脚 撮影日2022.12.11
■ 茅野市ちの横内に立っているこの火の見櫓は国道20号(甲州街道)を岡谷・塩尻方面に向かって走行していると、目に入るのでかなり前から気だ付いていた。だが、いままで観察する機会がなかった。11日の朝、山梨に向かう途中で立ち寄り観察した。
この火の見櫓は達屋酢蔵神社の境内と思しき場所に立っている。この神社でも今年「御柱」が行われた。その時の様子はひのみくらぶの会員がSNSに投稿していた。
南信地域で最も多い、4柱44型トラス脚の火の見櫓。姿、形が整っている。屋根と見張り台の大きさのバランスも良い。総じて南信地域のこのタイプの火の見櫓は形が整っているという印象だ。スピーカーが設置されていないのも好ましい。脚も正しいトラス(トラスもどきではない)。
屋根の四隅には蕨手ではなく、隅角(*1)のような飾りがついている。手すりの飾りは〇と蔓状の逆さハート。表面が平滑な(つるりんちょな)半鐘を屋根の中心部から吊り下げてある。消火ホースを掛けるフックの形状に注目。一般的なL形ではなく、突起付きの丸鋼。
外付け梯子から踊り場に入る開口部のデザイン。大きなRのアーチ部材を付けている。切妻型の小屋根の下に表面に装飾が施された古いタイプの半鐘。櫓内に収めた手すり。
ピントが甘いのは手振れか?
*1 隅角(すみづの)社寺建築用語 入母屋や寄棟の屋根の下り棟の先に付ける。瓦葺の場合が多いと思うが、その場合、隅巴瓦という。社寺建築には縁がないので隅巴瓦という用語は知らなかった。