透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「本所おけら長屋 十三」

2020-10-22 | A 読書日記

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 『本所おけら長屋』畠山健二(PHP文芸文庫)を一巻から読み進み、とうとう十三巻に。十二巻まではカバーが二重にかけられていて、この巻の帯の作者の装画(イラスト)が表になっていた。だが、この巻ではもともと使われていた装画のカバーだけになっている。江戸のまち並み(背景のような山並みが江戸にあるのかどうか、気になるが)の遠景が描かれていて、火の見櫓が立っている。



この巻には短編が4編収録されているが、タイトルは相変わらずひらがな4文字。その壱の「とりもち」を読んだ。

主人公の栄太郎は、おけら長屋の住人・万造と同い年。ふたりは以前同じ長屋で暮らしていた。相性が悪く、喧嘩が絶えないふたりだったが、栄太郎が長屋を出るとき、万造が泣き、栄太郎も泣いた。

栄太郎がとりもち屋(**所帯を持ちたい人にさ、相手を引き合わせてくれる人のことだよ**16頁)の世話で女性と会うも3人に続けて断られてしまう。その後、子連れの女性と会って、子どもに気に入られ、栄太郎も親子を気に入って・・・。

読んでいて思った、この3人が家族になればきっと幸せになるだろうと。

笑えて泣ける時代小説と帯にあるが、この短編然り。



「あれこれ」がジャスト1900、「火の見櫓っておもしろい」が1600、合わせて3500か・・・。よく書いたなぁ


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