透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

年越し本「吾輩は猫である」

2016-12-24 | A 読書日記

■ 過日明治村で漱石が暮らしていた住宅(旧所在地は文京区千駄木)を見て(過去ログ)、今年の年越し本は『吾輩は猫である』にしようと思っていた(過去ログ)。



自室の書棚を探すも、文庫本が見つからない。以前は整然としていた書棚が今はカオス故、仕方がない。今日、書店で新たに買い求めた。新潮文庫の「猫」のカバーデザインが好みではないので、渋いデサインの角川文庫にした。



漱石が建築家を志していたことはよく知られている。買い求めた文庫本の巻末に**どうか医者でなくて何か好い仕事がありそうなものと考えて日を送って居るうちに、ふと建築のことに思い当たった。建築ならば衣食住の一つで世の中になくて叶わぬのみか、同時に立派な美術である。趣味があると共に必要なものである。で、私はいよいよそれにしようと決めた。**(557,8頁)という漱石の文章が載っている。



今までに3、4回「猫」を読んだと思うが、その際、猫が暮らす家の様子の描写にはあまり注意していなかった。今回はそのあたりにも注意して読みたい。建築にも関心があった漱石だから、上にある平面プランが分かるような描写が出てくるだろう。

「吾輩は猫である」は苦沙弥先生の住宅というかサロンで交わされる社会批評、文明談義を名もない猫が傍聴するというスタイルの小説で、この住宅が主要な舞台だから、注意深く読んでいけば住宅のプランが分かるかもしれない。



 


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