今日は、部内で一番信頼しあっている男と二人で呑みに行った。
彼曰く、「壮行会」。
彼との付き合いはかれこれ18年になるかな?
CEマーキングと云う欧州へ出荷する装置の安全基準クリアのために
前任者が居たのだけれど、期限寸前になって、基準をクリアできないどころか
装置そのものを、無謀なテストで壊してしまった。
そんな後がない仕事に、「背水の陣」と称して、僕と彼が選ばれ
2週間で放射ノイズやら、外乱による誤動作対策をクリアしないとならない
とんでもない仕事を押し付けられた。
二人で毎朝、ミーティングをしてその日の目標を決めて作業。
その頃は基準をクリアするどころか、測定方法すら誰も知らなくて
とにかく二人で必死になって作業した。
そして、何とかクリアできた時に上司から言われたのが「流石は最強コンビ」
そんな風におだてられて、会社から褒美に記念の時計を授かり、
さらに会社持ちで打ち上げ慰労パーティーまでしてもらった。
そういう意味では、本当に背水の陣だったんだな・・・と、二人で苦笑いした事もあった。
それ以来、良きライバルとしてお互いを意識し合いやってきた。
僕のやった125万ボルトの超高圧電源だって、彼が基礎実験をやってくれたお陰で出来たようなもの。
美味しい所を、僕が貰ってしまったような形だった。
ついこの間、東北大に納めた装置だって、彼が作った部分と
僕の作った部分の性能勝負。
「性能が出ないのはお前のせい」と、良い意味で責任を擦り付け合い、
お互いに相手の見ていない所でこっそり直しては、どうだ!と突きつける。
その結果、装置も素晴らしい性能を出すことが出来た。
ところが彼も僕も、いつの間にか部署から干されてしまった。
彼は、我慢強いので僕のように飛び出すことも無く、ひたすら若手の
成長を見守るような事をしている。
一方の僕は、短気ですぐに売られた喧嘩を買っちゃって
結果的に飛び出すことになった。
それで、今日は彼の驕りで「壮行会」。
色々、話をしたがお互いに今の部署が崩壊寸前である事を感じている。
僕にすれば、彼が干される理由が判らない。
彼も、同じように僕が干されることが理解出来ないらしい。
でも、今度の部署は周りが皆、若い。
自分ひとりで、電気設計全般など看れる訳が無い。
それで、僕は社長と専務に「手助けを頼んでも構わないか?」と言って
暗に彼が干されて、能力が生かされていない事を伝えている。
彼に「何かあったら手伝って」と頼んだら、二つ返事で「OK」。
一時期、いまだに原因不明だが半年くらい、口も聞かない、顔も合わせない、
といった険悪な関係になった事もあった。
それでも一緒に仕事をしなければならなくて、連絡はメールかメモ。
そんな事があっても、いつの間にか元通りに戻って、今は一番信頼できる間柄。
僕の周りには、こういった強い味方がいて、本当に恵まれている気がする。
腐らず、元気に次の仕事をやらなくちゃいけないな・・・・
自分だけ先に、良い思いをしてしまうような、後ろめたさがあるが
このまま終わるものか!と、彼の分まで頑張らなくちゃいけないな。
ビールをジョッキで数杯飲んで、最後に呑んだウーロンハイは、
凄く濃くて一気に酔っ払った。
たった二人の壮行会は、ちょっと飲みすぎた。
彼曰く、「壮行会」。
彼との付き合いはかれこれ18年になるかな?
CEマーキングと云う欧州へ出荷する装置の安全基準クリアのために
前任者が居たのだけれど、期限寸前になって、基準をクリアできないどころか
装置そのものを、無謀なテストで壊してしまった。
そんな後がない仕事に、「背水の陣」と称して、僕と彼が選ばれ
2週間で放射ノイズやら、外乱による誤動作対策をクリアしないとならない
とんでもない仕事を押し付けられた。
二人で毎朝、ミーティングをしてその日の目標を決めて作業。
その頃は基準をクリアするどころか、測定方法すら誰も知らなくて
とにかく二人で必死になって作業した。
そして、何とかクリアできた時に上司から言われたのが「流石は最強コンビ」
そんな風におだてられて、会社から褒美に記念の時計を授かり、
さらに会社持ちで打ち上げ慰労パーティーまでしてもらった。
そういう意味では、本当に背水の陣だったんだな・・・と、二人で苦笑いした事もあった。
それ以来、良きライバルとしてお互いを意識し合いやってきた。
僕のやった125万ボルトの超高圧電源だって、彼が基礎実験をやってくれたお陰で出来たようなもの。
美味しい所を、僕が貰ってしまったような形だった。
ついこの間、東北大に納めた装置だって、彼が作った部分と
僕の作った部分の性能勝負。
「性能が出ないのはお前のせい」と、良い意味で責任を擦り付け合い、
お互いに相手の見ていない所でこっそり直しては、どうだ!と突きつける。
その結果、装置も素晴らしい性能を出すことが出来た。
ところが彼も僕も、いつの間にか部署から干されてしまった。
彼は、我慢強いので僕のように飛び出すことも無く、ひたすら若手の
成長を見守るような事をしている。
一方の僕は、短気ですぐに売られた喧嘩を買っちゃって
結果的に飛び出すことになった。
それで、今日は彼の驕りで「壮行会」。
色々、話をしたがお互いに今の部署が崩壊寸前である事を感じている。
僕にすれば、彼が干される理由が判らない。
彼も、同じように僕が干されることが理解出来ないらしい。
でも、今度の部署は周りが皆、若い。
自分ひとりで、電気設計全般など看れる訳が無い。
それで、僕は社長と専務に「手助けを頼んでも構わないか?」と言って
暗に彼が干されて、能力が生かされていない事を伝えている。
彼に「何かあったら手伝って」と頼んだら、二つ返事で「OK」。
一時期、いまだに原因不明だが半年くらい、口も聞かない、顔も合わせない、
といった険悪な関係になった事もあった。
それでも一緒に仕事をしなければならなくて、連絡はメールかメモ。
そんな事があっても、いつの間にか元通りに戻って、今は一番信頼できる間柄。
僕の周りには、こういった強い味方がいて、本当に恵まれている気がする。
腐らず、元気に次の仕事をやらなくちゃいけないな・・・・
自分だけ先に、良い思いをしてしまうような、後ろめたさがあるが
このまま終わるものか!と、彼の分まで頑張らなくちゃいけないな。
ビールをジョッキで数杯飲んで、最後に呑んだウーロンハイは、
凄く濃くて一気に酔っ払った。
たった二人の壮行会は、ちょっと飲みすぎた。