早いもので11月も残り3日。
今の部署に来てから、早くも2ヶ月。
なかなか仕事の感じがつかめなくて、そのくせ色々と面倒な仕事に巻き込まれる。
今度の会社で、今まで僕が一番手こずっていたモールドという技術を使って
新しい電源を作る羽目になってしまった。
簡単に説明すると、絶縁(スパークしないようにする事)の方法には
①絶縁オイルという油に電気回路を浸ける方法
これは比較的簡単だけれど、手や油が染み出て汚れるのと、
部品にゴム系のものが使えない(油で膨張してしまう)事を気をつけないといけない。
②絶縁ガス
これが一番簡単。安定度という揺らぎの少ない電源を作るには油のような
対流が起きないので誰でも簡単に作れる。だだ、容器が大きくなるのが欠点。
ただ、この絶縁ガスの温暖化係数がCO2の28000倍というのがネックで
最近では、このガスを使った電源がユーザーに嫌われつつある。
それで、ガスでもオイルでもない絶縁ゴムで電気回路を覆ってしまう方法が
モールドという方法。オイルのように汚れないし、小型になるのが利点。
ところが、過去に何回かチャレンジして失敗している。
ゴムが隙間をきちんと埋めていなかったり、固まる時に気泡が入ると
そこが基点となって絶縁破壊を起こしてしまう。
厄介なのは、時間経過と共に徐々に破壊されてゆく事。
その技術で外の会社に作らせているのだけれど、比較的低い電圧は問題無くても
僕がやろうとしている30KV(3万ボルト)ぐらいになると、
安定度が要求される電源となると簡単には行かず
そういった電源の専門メーカーでも、開発に苦労している。
本社の部署ではそんな事をやるための、細かい部分の設計経験がある人間が
全く居ないから、誰もチャレンジしない。
社長も簡単じゃないから専門メーカーに頼ってきたらしいのだが
本音では自社開発したかったみたい。
「外で駄目なら、お前が作れ」という社長の言葉から、そういう気持ちが伝わってくる。
まぁ、上手く行くかは判らないけれど、定年までの残り8年で出来る
最後のチャレンジャブルな仕事の気がします。
これが上手く行けば、会社も暫く喰って行けるくらい、重要な仕事。
僕一人でやると、次世代が育たないので3年目と今年の新入社員を貰って
この二人に、僕の知識を全部伝えるつもりでやってます。
新人君は、僕の与えた基礎実験を黙々とやっては質問してくる。
僕にとっては他愛の無い簡単なトラブルも、新人にとっては難題。
少しヒントを与えては、またやらせているうちに今週になって
回路が上手く動くようになってきて、張り切っている。
本社の新入社員では、絶対にやらせてもらえない古い高圧回路の
小型化と新規設計。僕は、新人に基本的な実験で部品の知識を与えながら
最後には商品を作るまでやらせるつもりで、指示を与えている。
今日は動き始めた電源の実験が楽しいらしく、いつまで経っても
デスクに戻ってこないので、実験室に行って様子を見に行ったら
嬉しそうにデーターを見せる。
「切りの良いところで上がれよ」と、言って先にデスクに戻ったけれど
新人君の目が輝いているのを見て、ちょっと嬉しくなった。
本社でも最初はそうだったんだけれど、いつの間にか違ってしまった。
僕のやり方が悪かったのかも知れないから、今度は気をつけるつもり。
でも、新人君が素直で、判らない事をきちんと訊いて来るから
何だか僕も、いつも以上に凄く優しい気持ちで接している気がする。
本社の新人に来年の今頃はもっと差をつけさせてやりたい。
これは僕自身の、「見返してやる」という目標でも有るんです。
教える事が沢山あって、楽しみです。
今の部署に来てから、早くも2ヶ月。
なかなか仕事の感じがつかめなくて、そのくせ色々と面倒な仕事に巻き込まれる。
今度の会社で、今まで僕が一番手こずっていたモールドという技術を使って
新しい電源を作る羽目になってしまった。
簡単に説明すると、絶縁(スパークしないようにする事)の方法には
①絶縁オイルという油に電気回路を浸ける方法
これは比較的簡単だけれど、手や油が染み出て汚れるのと、
部品にゴム系のものが使えない(油で膨張してしまう)事を気をつけないといけない。
②絶縁ガス
これが一番簡単。安定度という揺らぎの少ない電源を作るには油のような
対流が起きないので誰でも簡単に作れる。だだ、容器が大きくなるのが欠点。
ただ、この絶縁ガスの温暖化係数がCO2の28000倍というのがネックで
最近では、このガスを使った電源がユーザーに嫌われつつある。
それで、ガスでもオイルでもない絶縁ゴムで電気回路を覆ってしまう方法が
モールドという方法。オイルのように汚れないし、小型になるのが利点。
ところが、過去に何回かチャレンジして失敗している。
ゴムが隙間をきちんと埋めていなかったり、固まる時に気泡が入ると
そこが基点となって絶縁破壊を起こしてしまう。
厄介なのは、時間経過と共に徐々に破壊されてゆく事。
その技術で外の会社に作らせているのだけれど、比較的低い電圧は問題無くても
僕がやろうとしている30KV(3万ボルト)ぐらいになると、
安定度が要求される電源となると簡単には行かず
そういった電源の専門メーカーでも、開発に苦労している。
本社の部署ではそんな事をやるための、細かい部分の設計経験がある人間が
全く居ないから、誰もチャレンジしない。
社長も簡単じゃないから専門メーカーに頼ってきたらしいのだが
本音では自社開発したかったみたい。
「外で駄目なら、お前が作れ」という社長の言葉から、そういう気持ちが伝わってくる。
まぁ、上手く行くかは判らないけれど、定年までの残り8年で出来る
最後のチャレンジャブルな仕事の気がします。
これが上手く行けば、会社も暫く喰って行けるくらい、重要な仕事。
僕一人でやると、次世代が育たないので3年目と今年の新入社員を貰って
この二人に、僕の知識を全部伝えるつもりでやってます。
新人君は、僕の与えた基礎実験を黙々とやっては質問してくる。
僕にとっては他愛の無い簡単なトラブルも、新人にとっては難題。
少しヒントを与えては、またやらせているうちに今週になって
回路が上手く動くようになってきて、張り切っている。
本社の新入社員では、絶対にやらせてもらえない古い高圧回路の
小型化と新規設計。僕は、新人に基本的な実験で部品の知識を与えながら
最後には商品を作るまでやらせるつもりで、指示を与えている。
今日は動き始めた電源の実験が楽しいらしく、いつまで経っても
デスクに戻ってこないので、実験室に行って様子を見に行ったら
嬉しそうにデーターを見せる。
「切りの良いところで上がれよ」と、言って先にデスクに戻ったけれど
新人君の目が輝いているのを見て、ちょっと嬉しくなった。
本社でも最初はそうだったんだけれど、いつの間にか違ってしまった。
僕のやり方が悪かったのかも知れないから、今度は気をつけるつもり。
でも、新人君が素直で、判らない事をきちんと訊いて来るから
何だか僕も、いつも以上に凄く優しい気持ちで接している気がする。
本社の新人に来年の今頃はもっと差をつけさせてやりたい。
これは僕自身の、「見返してやる」という目標でも有るんです。
教える事が沢山あって、楽しみです。