今日からまた、公演までの話を書きましょう。
今年の公演は、例年の舞台とは違って芝居に重きを置きました。
お気付きになった方もいらっしゃるかと思いますが
今回の公演のパンフレットには「ミュージカル」の文字が
無くなっているかと思います。
座長が、音楽やダンスに頼らず芝居をやりたかったのです。
去年までの芝居は、オープニングに全員で唄いながら登場して
最初に派手な登場をして、お客さんにインパクトを与える。
休憩前にちょっとした芝居を入れて、お客さんへ伝えたり、
2幕の冒頭には、お約束のようにパーティーシーンがあったり
いわゆる、この劇団の定番だったことは全て捨てたのが今回の芝居。
そういう意味で、ごまかしが効かない舞台でした。
そうは言っても、役者が下手糞でぎこちない。
特に今回の「三人姉妹」役は、僕が見る限り芝居が退屈でした。
でも、その中で主役のルーシー役を演じた高野仁美さんは
二役の表情を実に上手く使い分けていて、見ていて感心しました。
現代に生きる気難しい、一風変わったルーシーは、目つきがきつく
時にはヒステリックな一面を見せる。
過去に移って演じたニコルの時は、実に優しい表情で移民達に接する。
その表情が凄く可愛くて、本当に上手になったなぁと感心しました。
唄やダンスに頼らない分、逆に歌が入ると聞いてしまうという、
難しい一面もありました。
今回は唄も、いまひとつだったかな?
リズム音痴だったり、唄になっていなかったり、聞いていて苦しかったり・・・・
冒頭の難民の歌は、それでもエネルギッシュで楽しかったけど
リズムの狂った唄や苦しそうに唄うのを聴かされるのは、辛いものです。
なんで、唄の上手くない人やリズム音痴に唄わせるのか?
これは毎年、疑問に思うことです。
実は本番でそういう人が唄うのは、お笑いのネタになるから
僕としては一向に構わないのですよ。
嫌なのは、稽古の時間を延々と使われること。
毎回、一曲に1時間近く使われて、そのくせいつまで経っても出来ない。
それなら、個人的に練習して来るか、いっそのことやらないほうがいい。
芝居はチームプレイだと言うことを忘れている気がしました。
とは言え、僕は自分の芝居に専念していたから、
そういったことは、ここに書いているほど余り気にならなかったかな?
楽しく稽古をやってきたのは間違いないですね。