毎年のように観劇に来て頂いて居る方で、今年から音楽の担当が
変わったのをお気づきになられた方もいらっしゃるかと思います。
去年まで音楽を担当されていた大塚彩子先生から、
バークリー音楽大学校出身の、片野真吾さんが担当になりました。
大塚先生はピアノの演奏が専門なのに対して、片野先生は弦楽器。
とりわけベーシストとしても活躍されているそうです。
大塚さんの曲は、オーケストラとかビッグバンドとかを連想する
ダイナミックな曲が比較的多かったのに対し、
片野さんの作曲される曲は、ロックなどのバンドを連想する曲が多かった。
誤解しないでほしいのは、スケールが小さいとか、そういう話では無く
我々素人でも覚えやすく、転調などが少なくシンプルで、
むしろ凄く身近なメロディーと言う感じがしました。
冒頭で現代の難民たちが社会の不満を唄うM1「それでも信じるかアメリカ」と
過去のシーンに移って希望を持って唄うM2「希望に輝くよアメリカ」は
殆どメロディーが一緒で、唄い分けが難しかった。
ここでも先生達が仰ったのは、移民や難民の気持ちを考えて唄うこと。
M1は難民たちがいざこざを起こしながらも、後戻りできないながらも
希望を抱いて、エネルギッシュに唄う曲。
男性メンバーがメロディーとは言い難い唄(笑)でしたが、
不満を爆発させる芝居としては、良い曲だった気がします。
M2は移民たちが、これから先の希望に輝く未来に向かって、
前向きに明るく唄う曲で、後半がシャッフルのリズムになり
唄っている僕達も、うきうきするような曲になっていました。
残念だったのは悪役アーサーとサリーナのペアが唄った曲「夢に見たこの屋敷」。
8ビートのロックンロールの軽快な曲で、僕が一番お気に入りの曲。
ところがアーサーは、信じられないほどのリズム音痴。
リズムが命の8ビートで、頭の音を外したうえに、音が1音以上遅れる。
特にハモる部分は、頭の音を揃えるのが最低条件なのにそれすら出来ない。
娘に「リズムもメロディーも滅茶苦茶」とビシっと言われてしまいました。
更に娘いわく、「合わないのなら、最初から合わせない方がまだ聞いていられる」
と、よほど聞き苦しかったのでしょう。
今回は来て貰った友人から「今年はデュエットの唄が酷かった」と言われたうえに、
まがりなりにもお金を頂いているのだから、最低限のクオリティは必要だと・・・。
まぁ、酷評も頂けるうちが華。
来年はそういうことも反省しないといけませんね。
でも、片野先生の曲はギターの伴奏が中心で、ギター弾きの僕としては
とても嬉しい曲が多かったですね。
特に最後の2曲『ふるさと』と『扉開いて』は
3連のアルペジオの伴奏がとても心地良くて、かつて我々のバンドが
3本のギターの演奏に凝っていた頃に拘っていた「決して同じ音で弾かない」的な
ハイポジションでのアルペジオが凄く凝っているのに感心させられました。
それで、今はひそかにそのギターワークをコピーして遊んでいます。