昨日、時間感覚の話をしたついでに、今日もちょっと書いてみます。
会社にいると、8時間が凄く長いのに、帰宅してからの5時間はあっという間。
こんな事を感じる人は、意外と多いのでは無いでしょうか?
例えば、カップ麺にお湯を入れて3分間じっと待つ時間は長く感じる。
その間に、他の事をやっていると、3分なんてあっという間に過ぎる。
人は、何かに夢中になっていると時間の経過を意識しなくなる。
だから僕は『待つ』と言う行為が凄く嫌い。
子供を連れて500回以上も出かけたディズニーランドでも、
たった数分のアトラクションにために2時間も待つのが馬鹿らしくて
アトラクションの乗り物に乗った記憶は殆ど無い。
それでも、子供たちが可哀想なので、子供たちがアトラクションに
乗る順番が来たら、並ぶのを交代して僕だけが他のアトラクションに
並んで、子供の待ち時間を極力少なくするようなことはしていた。
今では順番を予約するシステムが出来たらしく、
そんな苦労は無くなったのかもしれないけれど、とにかく僕は
そういう時間の無駄が嫌で、最近は並ぶような場所には行かなくなった。
話を本題に戻しましょう。
昔、『人間は年齢の速度で生きている』と言うことを書いたことがあります。
赤ちゃんが時速1km/hだとすれば、僕のような還暦前の人間は時速60km/h。
若い頃は、一年がすごく長く感じて、早く大人になりたいと思ったのに、
我々くらい歳を取ると、一年があっという間に過ぎてしまう。
子供の頃に、戦争ごっこをやると親に叱られた。
昭和30年代の親にとって、戦争はついこの間のこと。
これも、この歳になって理解できるようになった事のような気がします。
僕は今の会社についこの間、異動したように思っていたけれど、
実際にはもう7年目に入る。
散々苦労した、超高圧電子顕微鏡の新方式の電源の開発に至っては、
自分ではついこの間までやっていた仕事のように思っていたけれど、
試作したのが1995年だから、もう20年も前の事になる。
だから、やっぱり仕事は若いうちに苦労しないといけないなって・・・・
自分の生きるスピードがそんなに速くない時代に、たっぷり苦労する。
そうやって経験を積み上げることが大事だなって思います。
ところが、殆どの人はいつまでも現役で居たい。
僕も40歳を過ぎて、管理職になるまでそうでした。
管理職になったときに、自分の仕事を若い人にどんどん放り投げて、
自分はその管理と指導に徹するつもりで居た。
ところが、顧客がそれを許してくれなかった。
仕事が進まないのは、僕が管理職なんかやっているから・・・・・
そんな理由だったのですが、あろう事にその顧客の要望に、
当時の取締役が『No』と言えなかった。
その後、色々あったけれどその時に放り投げた仕事を受け取った
若手のメンバー、いわゆる『弟子』が何人か居た。
その連中が、若いなりに育ってきて居るので、
今では、結果的にあれで良かったのだと思うようになった。
僕は残りの人生が20年も無いと思っている。
時速60km/hで進んでいる今は、うかうかしていると、
その20年があっという間に終わってしまう。
だから、つまらないことに悩まず、楽しいことを考えながら、
今を楽しむことが大事なんだと思うようになりました。