ドラマ『海のはじまり』、切なさ満載だけれど良いドラマ。
池松壮亮さんが演じる津野君はその極みですね。
彼の演技力は、本当に凄いなぁと思いながら観ていますが、
特に好きだった人(水季)が亡くなった事を知らせる電話のシーンは圧巻だった。
約1分の間、セリフが一つもないシーンで、その悲しさや無念さを見事に表現していた。
劇団の座長が良く言う『背中でやる芝居』とは、こういったセリフに頼らない演技だと思う。
今日の放送では、主役の夏(目黒漣)と恋人の弥生(有村架純)が別れる決断をした。
二人の決断する際の気持ちが何だか凄く解って、思わず涙が込上げてきました。
実は結婚する前に、僕には9年付き合った女性がいた。
普通に『この人と一緒に人生を送るのだろうな』と思っていた。
僕がやりたいことをする姿や、何でも楽しそうにやる姿を、いつも見守ってくれていた。
彼女も自分のやりたい仕事に邁進していて、同じ様に僕も応援していた。
お互いに、好きで好きでしょうがなかった。
それまで、実家で祖母と母親の面倒を看ながらの生活だったのだけれど、
姉貴が帰国したら、彼女と一緒に住もうと思っていた。
彼女は大学の仏文科を卒業した後に、学生の頃から憧れていた美術商に勤めて、
アフリカの美術品の第一人者を目指していたし、周囲からも期待されていた事も知っていた。
フランス語と一緒に英会話を猛勉強して、いつしか自ら海外に買い付けに行くようになっていた。
本当に凄い人だなぁ・・・・
と僕はいつも尊敬して、ずっと応援し続けていた。
9年目に豪州の日本人学校に赴任していた姉貴の任期が終了した。
ところが、姉貴は現地で知り合った男性と国際結婚する事になって、
姉貴が帰国した後の計画は、狂ってしまった。
『どうしようか?』
このドラマのように二人で悩んでいた。
彼女が『仕事は辞めたくない』と言うのは判っていたし、
僕も彼女の才能を潰したくないと、僕は結婚を考えていなかった。
他に好きな人が出来た訳でもなく、お互いに心底好き合っていた。
彼女と何度も話し合って、最後の選択をした。
出した結論は『お互いに別の道を歩もう』だった。
最後に会っってその結論を出した日の感じが、この日のドラマとそっくりだった。
僕にとっては『あるある』でしたね(笑)
ギリギリまで一緒に居て、別れる時に『頑張れ!』と言う一言も・・・・
お互いに好きで、喧嘩別れした訳でもなんでもない。
好きだから、これから先に起こる事は相手のせいにしたくない・・・
自分たちが選んだ選択の理由だった。
お互いに心底好きだからこそ、こういう別れってあるんだよ・・・・
その彼女とは、40年近く経った今でも連絡を取り合っている。
毎年、僕が欠かさず誕生日にはメッセージを送っている。