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唸る、サイレン。まさかと思ったらまた火事である。
二階のベランダから、煙が立ち込め、きつい匂いが既に立ち込める。
「何処だ何処だ」と火元に走ると、既に野次馬が一杯である。
「何てことだ、 先日の火事と同じ方向である」
既に日は落ちかかる頃、折からの風に煽られ煙が猛烈に流れてくる。
火元は先日の火事の火元とJR中央線を挟んで丁度反対の南側である。
線路を挟んで反対側に駆けつける過程で「ボン!!」と言う猛烈な破裂音に、ただ事ならぬ状況が伝わってくる。
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線路を越え、南側にたどり着く。既に日は落ち、真っ暗、メラメラ燃える炎が時々上がる。火元は豆腐屋さん近辺である。住宅地の中に3軒店が並んでおり、既に火は鎮静化する方向である。
先程の激しい破裂音はプロパンガスである事が判った。同地域は都市ガスとプロパンが使われており、炎上した家からの引火であった。
暗闇から、はっきり認識出来ないが、明らかに消火剤がまかれたのは炎上した隣接の「おけ屋」の化学用材の消火のためと思われる。
線路の南側は旧市街地で両側1.5車線道幅が狭く、交通の障害になっている。夥しい数の消防車も火元に近づけず、かなり離れた所から、ホースで消火しているが、そんなことも鎮火の妨げにもなっている。
空中から報道用のヘリコプターが乱舞、先日の火事以上の災禍では無かろうか・・・。
日中から吹き荒れた風、雨も無く乾燥しきった環境が火の手により勢いをつけたようだ。
昨日の地震と言い、2度も起きた隣接の火事。夜間には消防が巡回し、火災注意を呼びかけた矢先のことであった。
消防車の影に搬送される罹災者。先日も見たばかりの不幸な事実。何故この悲惨なことが、起きるのか、信じられない。