ブドウ棚から立ち込める甘~い匂いが庭先に広がり、時折部屋にも入ってくる。
「もうそろそろ取り入れ 頃だぞ~」とメッセージを送っている様であり、毎日棚の下に行ってフクロの底から、色合いを眺め、収穫時期を確かめてみた。
真っ黒に熟成しているものもあれば、所々に緑の未成熟もあり、出来上がりは均一ではなかった。
そんな折り、孫娘からの電話で「ぶどう狩りやるんだ」「梯子を用意してね」と楽しみにしている様子に後押しされ、遂にはさみを入れることにした。
この出来具合を見て貰いたく、子供達2家族が全員集合で、賑やかにぶどう狩りがはじまった。
早速梯子を用意し、孫娘を抱え、梯子に登る。
片手で孫娘を抱え、片手ではさみ入れを手伝ったが、もう10、4~5㎏の体重はずしりと重く、長く支えることが出来なかった。
それでも切る場所、勘所をつかみ学習したのか、次々とふくろは落とされ、写真のように夢中になって収穫に集中していた。
自ら取ったことに満足にしたのであろうか、良い思い出作りが何とか適えられた。
さ~て、その収穫は透明のフクロに仕分けし、ごらんの通りの大収穫であった。
フクロに一緒に住処となっていた、コオロギなど虫さんも家の中に一緒に珍入し、大騒ぎしながら、わいわいと楽しい収穫であった。
完全無農薬、形は不揃いながら、小さなM果樹園に此れほどの量が取れることの驚きの声に、半年余りの汗の結晶が、この時期にようやく花開く。
早速、取り立てを次々口に運ぶ。甘い熟成された果実が口に広がり、くそ暑い夏の置き土産が甘さとなって、喜びを与えてくれた。
それぞれ持ち帰ってもらっても、取れたブドウのフクロから家の中は甘~い匂いが充満している。