◇何時もの通り宇宙遊泳
「はい、頭下がりま~す」
台はゆっくり垂直から水平に更に頭が下に下がる傾斜のまま止まる。
「はい、そのまま体をぐるりと一回転廻し、仰向けに」
「はいはい、そのまま、息を止めて~」
「はい 、今度は体を廻し、右肩が上に、そのまま息を止めて」
「はい、楽にして」
監視台に載せられたまま、垂直、水平、頭が下になったり、宇宙遊泳が始まる。
寝たままなら我慢も出来るが、ガラス越しにモニターを見ながら、検査技師から、マイクを通して、上向け、下向け、体を廻せ、息を止めろと、矢継ぎ早に指令がバシバシ飛んでくる。
その間、渡されたバリウムは徐々に腹に納め、撮影中は絶対にゲップを出すなと厳しいお達しが言い渡される。前回はそれが上手く、行かなくて、検査途中でバリウムのやり直しをした苦い、経験もある。
機械の操作音がやけに大きく、マイク越しの指令が聞きにくい時もあり、「はい、息を止めて~」から「楽にして~」が聞き取れず、目一杯息を止めるなんてこともあり、台の上で好きなように弄ばれ、悶絶するなんてことも。まだ指示を受け、いち早く応えられる体力があるが、更に年老いてきたら、この宇宙遊泳も御法度に成ってしまうのであろうか?
恒例の恐怖の人間ドックはこうして始まった。
◇腹部思い切り腹に突っ込むエコー
腹部のエコー検査ではモニターを見ながら検査棒を思い切り腹に突っ込み、何度も繰り返される。その様子から、怪しい部位が発見されたのだろうなと思うが、声も掛けられず、ビクビクしながら、長い検査時間に思わず、塞ぎこんでしまう。
一通りの検査が終わって、個室で待たされる。
検査前に記入した本人のアンケート調査では自覚症状もなく、"健康"なんて提出したが、悉く崩れ、満身創痍の病人になってしまう。年相応にあちこちガタがきている、有り難い即応コメント頂き、がっくりうなだれ、病院を後にする。
判定医、看護婦さんに慰めの「お大事に~」の声が、今日ばかりはずしりとのしかかる。
精密の検査結果は2~3週後に宣告される。
◇数日後の所見評価に、ああ~最早これまでか
先日、人間ドックのエコー検査で検査棒を腹部に思い切り、押し込まれ、何度も同じ所を繰り返し操作する、女性の検査技師に、なんやら怪しき反応ありきか、最早これまでと観念していた。その所見結果が郵送されてきた。
「膵臓の付近にリンパ節の疑われる所見を認めます」
灰色の判定に果たして白か黒か、未だ結果が解らないのに、勝手に悪い方へ悪い方へと妄想がはしり、短いコメント一行に追い込んでしまう。ああ~最早これまでか、どうにでも取れるが、残酷無情な記述に観念する。
さらに、追い討ちをかけるように心電図も「心雑音の検出」と表記されている。
"要精密検査"のレッテルに駆け込み寺の市立総合病院に駆け込む。
予約なしではあるが、高度診断機械に当日、何とか受けさせてもらう。
◇高度診断に委ねる
CT,MRIの診断待合には次から次へと予約患者が裁かれ、フル稼働の状態に、当方のような駆け込みが、入れたのはラッキイであった。
寝台に載せられ、ブチュと注射、後はイラストの様なロボットアームの様な機械まかせに造影剤が全身に注入され、徐々に体が熱くなる。いよいよドーナツ状のスキャナーに寝台ごと入ってゆく、まるで葬祭場の焼き場に放り込まれるような事前体験である。
CTそれにエコー検査を済まし、循環器系と内科の担当医から、大きく張り出された写真を前に恐る恐る診断結果を貰い、その兆候は一部見られるものの、差程心配ない旨の判定を貰い、ホットする。
◇受診に応分の重い負担
朝8;30の受け付けから、支払い手続きまで、飯も食えず、終わったのは16:00であった。
高度診断装置の利用に覚悟はしていたが、診察料は4万円を越え、30%の自己負担で1万数千円の重い支払いであった。
改めて命の補償に対し、長い待ち時間と物凄い対価、それに余計な心配が付いて廻る。
「ははあ、これで今日も酒を飲める。終末治療に非ず、何とか無事に終わった肉体に感謝し、一先ず( ^_^)/□☆□\(^_^ )乾杯」
「はい、頭下がりま~す」
台はゆっくり垂直から水平に更に頭が下に下がる傾斜のまま止まる。
「はい、そのまま体をぐるりと一回転廻し、仰向けに」
「はいはい、そのまま、息を止めて~」
「はい 、今度は体を廻し、右肩が上に、そのまま息を止めて」
「はい、楽にして」
監視台に載せられたまま、垂直、水平、頭が下になったり、宇宙遊泳が始まる。
寝たままなら我慢も出来るが、ガラス越しにモニターを見ながら、検査技師から、マイクを通して、上向け、下向け、体を廻せ、息を止めろと、矢継ぎ早に指令がバシバシ飛んでくる。
その間、渡されたバリウムは徐々に腹に納め、撮影中は絶対にゲップを出すなと厳しいお達しが言い渡される。前回はそれが上手く、行かなくて、検査途中でバリウムのやり直しをした苦い、経験もある。
機械の操作音がやけに大きく、マイク越しの指令が聞きにくい時もあり、「はい、息を止めて~」から「楽にして~」が聞き取れず、目一杯息を止めるなんてこともあり、台の上で好きなように弄ばれ、悶絶するなんてことも。まだ指示を受け、いち早く応えられる体力があるが、更に年老いてきたら、この宇宙遊泳も御法度に成ってしまうのであろうか?
恒例の恐怖の人間ドックはこうして始まった。
◇腹部思い切り腹に突っ込むエコー
腹部のエコー検査ではモニターを見ながら検査棒を思い切り腹に突っ込み、何度も繰り返される。その様子から、怪しい部位が発見されたのだろうなと思うが、声も掛けられず、ビクビクしながら、長い検査時間に思わず、塞ぎこんでしまう。
一通りの検査が終わって、個室で待たされる。
検査前に記入した本人のアンケート調査では自覚症状もなく、"健康"なんて提出したが、悉く崩れ、満身創痍の病人になってしまう。年相応にあちこちガタがきている、有り難い即応コメント頂き、がっくりうなだれ、病院を後にする。
判定医、看護婦さんに慰めの「お大事に~」の声が、今日ばかりはずしりとのしかかる。
精密の検査結果は2~3週後に宣告される。
◇数日後の所見評価に、ああ~最早これまでか
先日、人間ドックのエコー検査で検査棒を腹部に思い切り、押し込まれ、何度も同じ所を繰り返し操作する、女性の検査技師に、なんやら怪しき反応ありきか、最早これまでと観念していた。その所見結果が郵送されてきた。
「膵臓の付近にリンパ節の疑われる所見を認めます」
灰色の判定に果たして白か黒か、未だ結果が解らないのに、勝手に悪い方へ悪い方へと妄想がはしり、短いコメント一行に追い込んでしまう。ああ~最早これまでか、どうにでも取れるが、残酷無情な記述に観念する。
さらに、追い討ちをかけるように心電図も「心雑音の検出」と表記されている。
"要精密検査"のレッテルに駆け込み寺の市立総合病院に駆け込む。
予約なしではあるが、高度診断機械に当日、何とか受けさせてもらう。
◇高度診断に委ねる
CT,MRIの診断待合には次から次へと予約患者が裁かれ、フル稼働の状態に、当方のような駆け込みが、入れたのはラッキイであった。
寝台に載せられ、ブチュと注射、後はイラストの様なロボットアームの様な機械まかせに造影剤が全身に注入され、徐々に体が熱くなる。いよいよドーナツ状のスキャナーに寝台ごと入ってゆく、まるで葬祭場の焼き場に放り込まれるような事前体験である。
CTそれにエコー検査を済まし、循環器系と内科の担当医から、大きく張り出された写真を前に恐る恐る診断結果を貰い、その兆候は一部見られるものの、差程心配ない旨の判定を貰い、ホットする。
◇受診に応分の重い負担
朝8;30の受け付けから、支払い手続きまで、飯も食えず、終わったのは16:00であった。
高度診断装置の利用に覚悟はしていたが、診察料は4万円を越え、30%の自己負担で1万数千円の重い支払いであった。
改めて命の補償に対し、長い待ち時間と物凄い対価、それに余計な心配が付いて廻る。
「ははあ、これで今日も酒を飲める。終末治療に非ず、何とか無事に終わった肉体に感謝し、一先ず( ^_^)/□☆□\(^_^ )乾杯」