ほのかな甘い匂いが棚下に立ち込め、目待ちにまったブドウの狩り入れを行った。
総てに慎重派のカリン姫は梯子の上は「怖い~」と、中々上がるのをためらった。体を抱える様に、上げ、ハサミを持たせ、フクロのかかった房を落としを直に体感させた。
初めはあれ程、怖がったが、一つ、一つ房を落とすに連れ、恐怖も薄れ、ふくろの中身の重さに、歓声をあげるまでになった。
カリン姫の姿に、私もやりたいとパパに抱かれて、アカリ姫も梯子に上がったが、未だ枝を切るには力足りず、それに両手が塞がったパパが、親子もろとも梯子から倒れそうだったので諦めた。梯子の下でザルでブドウ房の受け役の後方支援に廻った。
「こんな大きなもの取れた~」と房をかざし、満面、笑みを浮かべ、一緒のぶどう狩りを楽しんだ。
早速、採れたブドウの房を前に食べ始める。
ブドウ大好きはアカリ姫、それに刺激されカリン姫も顔を見合せながら「美味しい。美味しい」と口に頬張る。
ぶどう狩りを前に二人の頼もしい成長ぶり。
見ているだけで、癒される。この時期に半年の苦労が報われる。