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周囲を海に囲まれる島国だけに領海を巡る、紛争の火種を抱えている。
こと南方沖では威嚇とも思える船舶や航空機による巡航がひつように繰り返されている。
話し合いの糸口を掴めないまま、お互いに憎悪ばかりがエスカレートしていくようである
そんな背景の中、第一線では海上輸送路(シーレーン)への脅威となり得る国籍不明艦船や潜水艦に対する哨戒を行なっている。
そんな折、横浜の開港祭りに自衛隊護衛艦「やまぎり」が公開されていた。
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目の前の「はまにゃん」のマスコットキャラクターに迎えられる。
案内看板を持つ、女性自衛官も思い切りのりの効いた制服がとても清楚で、この制服姿に
あこがれる。
海洋国の最前線で体を張って国を守る。厳しい軍律の世界に鍛えぬ枯れた肉体と無骨、無粋の海上自衛官の姿が思い浮かばれるが、そんなイメージが思い切り払拭される。
見学者に対する歓迎ムードは国民の理解を得るための、大切な場所であり、PRの場所である。
入官のお誘いに、若い男女に絞って、特別に艦内の案内を実施し、心を揺るがし、あわよくば入官に繋げたいようであった。じじい、ばばには志を持っても最早お呼びでない世界であった。
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艦全体が近代技術を駆使して装備されており、機密保持から、見える範囲も艦端から限定されていた。
しかし、速射砲だけは遠隔操作により、砲台の高速回転、砲筒の上げ下げが自在に行われていた。
はられたテープにこれ以上近づかないようにの注意喚起に速射砲がまるで、踊り子のようにくるくる廻るすがたは度肝を抜いた。
弾薬を回転給弾機から自動装塡し、毎分約80発の弾薬を連続発射可能し、対空、水上、陸上支援射程16㎞と性能掲示されてあった。
折しも、大河ドラマ「八重の桜」会津城での野砲戦は会津、薩長彼我の差はないだろうが一つの砲に10数人以上の砲手が、汗まみれで1発、1発を操作している。
一方、同砲では遠隔から忽ち80発を連射してしまうのである。
艦装備が徹底した省力化から、多機能化された装備品が満載される「やまぎり」であった。
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風に吹かれ、旭日旗、燃える様な旭にナショナリズムがかきたてられる。
特に軍国主義を礼賛するわけではないが、先人は素晴らしいものを残して行った。