575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

夏立つや瀬音並木に寄りはなれ  晴

2006年05月12日 | Weblog

中京大学の俳句講座に参加されている「晴」さんの句です。
小川の音が、時に並木に近づき、時には遠く聞こえる。
そんな音の風景が見えてきます。
先生は「夏立つ」という季語にピッタリで、良い句と評されました。

夏というと、6・7・8月と思っていましたが、俳句は陰暦の世界。
夏といえば、立夏(今年は5月6日)から立秋(8月8日)の前日までの三ヶ月。
さらに、これを3つに分けて、初夏・仲夏・晩夏というそうです。

夏という漢字。
もともとは、飾りをつけた大きな面をかぶって舞う人を象ったもので、
季節とはなんの関係もなかったそうです。
大きな覆いで下のものをカバーするという意味から、
大きな家、大民族を意味することとなり、
夏は中華の人々を指すようになったといいます。

そして、草木がさかんに繁って大地をおおう季節をも現すようになったそうです。


夏立つは、木立の間から日の光がもれ、瀬音もやさしく聞こえてくる季節ですね。
この句は名古屋のことじゃないそうです。
名古屋にも、こんな句が生れる水辺があるといいですね。
 
                          遅足

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俳句にサプライズは無用。         愚足

2006年05月12日 | Weblog
 長谷川櫂氏の俳句入門書に次のような事が書かれていて成る程とと思いました。
 
 良い句には「はっとする驚き」がある。この驚きは「吃驚仰天サプライズ」ではなくて「はっと気付くこと」である。
 そのためには①それが作者だけではなく読者の心の中にもひっそりと眠っている事。②それをまだ誰も言葉にした事がないこと。
 この作者の発見と読者の共感こそが良い句の条件である。
 
 そしてその例として俳句を楽しむ学生の句と蕪村の句を並べて述べて「はっと気付く」ことの違いを説明していました。

   春の海くまなく波の立ちてをり       前田茉莉子

   春の海終日のたりのたりかな        蕪村  
                 
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