575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

寒明け句会   麗

2012年02月16日 | Weblog
寒は明けてもまだまだ寒かった昨日でしたが
10名の参加でにぎやかに行われました。

   寒明けて句会の席は華やぎて

といったところでしょうか?

色んな寒明けの動きがありました。
優しい日差し、野仏の口許、ステンドグラス、旅の誘い、冷やのお酒、開かずの箱、クレーン、子等の声、足袋の穴から見える空、まだまだ寒いぞ、神さまのひざ、絡めた腕、野良猫の声など寒明けと共に色んな物が動いた感覚が面白かったです。

寒が明けたというだけでこれだけの変化が感じとれるとはなんという日本人の感性でしょうか。
そこには神も仏もおり、そして小さな穴の空いた足袋の先からのぞいた突き抜けた青空も。「足袋の穴空に突き抜け寒明ける」がトップ賞。
寒行を終えた修行僧の足袋が干されていたそうです。
能登さんのカメラマンならではの写生句には頭が下がりました。

一方、自由題ではまだまだ体感的には真冬の寒さを詠んだ句が高得点。

久しぶりのご参加の結宇さんの

     図書館の諸橋漢和底冷えす

諸橋轍次の残した分厚い漢和辞典。その冷たさと重さ。図書館に通われる作者の真摯なまなざしが伺えます。
なんと諸橋さんが直江兼次の子孫であることも智恵さんのタブレットで判明。
あの世の諸橋さんも喜んでおられるでしょう。(笑)

亜子さんの

    閂の音軋ませて冴返る

閂という文字を使ってみたかったとおっしゃる亜子さん。私は恥ずかしながらこんな字があることも知りませんでしたが、閂の重さや金属音は確かに寒さを倍増させますね。

底冷えの和室。にぎやかなおしゃべりで句会の温度も少し上がった気がしました。

     寒明けて句会の温度やや上がり    麗

来月は「東風」が兼題です。またまたどんな風が吹き荒れるのか楽しみですね。
コメント
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