575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

寒牡丹それぞれ   鳥野

2012年02月27日 | Weblog
旧聞です。
まだ、季が冬だったころの、ある句の集まりで、

 ① 寒牡丹この寒いのに咲かされて

という句が、出されました。

かなりの点が入つたのですが、下五を「咲きたがる」にしては、という
アドバイスがありました。つまり

 ② 寒牡丹この寒いのに咲きたがる

となります。

二つの句とも、言い得て妙。秀句です。

その上にそれぞれの、説明を聞いて、作品の奥深さに打たれました。

①の句は、ある有名な庭園の牡丹を見ての句。丹念に手入れされ、寒さを避けて、
あでやかに咲き、見ごろを迎えました。

②の句は、寒風と低温に耐えて、凛然と咲いた野生児を見ています。

二つの花の生い立ちや性格までを見据えて、十七文字で表現するという俳句。
その力を改めて知らされました。








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便りには旅への誘い寒明けり   静荷

2012年02月27日 | Weblog
電話からメールへと時代は便利になってきましたが、
やはり手紙を頂くのは嬉しいものです。
どんな用件の便りだったのでしょうね。
込み入ったものだったのでしょうか?
まるで、「寒」のように、なかなか氷解しない問題でしょうか?
でも、そんなに複雑ではなさそうです。
一件落着したら、一緒に旅に行きませんか?
最後に、追伸のように旅の誘い。
作者は、そんな旅の誘いに心弾ませているようです。

                      遅足

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朝倉川鷺鯉狙い山笑う    朱露

2012年02月27日 | Weblog
  豊橋多米の山裾を四季を通じて歩く。
  川幅数米の急流だがドラマが隠れる。
  白鷺の夫婦が一匹の黒鯉を集中攻撃。
  人間の老夫婦は唯呆然と眺めるだけ。

             



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