575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

帰化せよと吾を説く友よ梅白し   姜祺東

2013年03月18日 | Weblog
作者の姜祺東(かんきとん)さんは、昭和12年の日本生れ。
在日コリアンの二世です。
私の読み慣れた俳句とは肌触りが違います。

韓国の詩の特徴は、抵抗の抒情詩。
その特色は「恨」と「怨」にあると言われています。
「恨」は自己の内部に沈殿し、雪のように積もる悲しみ。
そして「怨」は他人に対する火のように燃える憤怒です。
姜さんの俳句も抵抗精神に溢れています。

   生きている場所が祖国よ草の絮

   選挙権なし銀杏を踏み砕く

   わが遺骨(ほね)は冬玄界に撒き散らせ

こんな句もあります。

   流星や封印の過去よみがえる

封印の過去とは?
桓武天皇の生母は百済王の子孫という事実。続日本紀に記されています。
平成天皇も、この事実を踏まえて韓国との友好を希望されています。

戦後、間もない頃には「社会性」のある俳句が盛んにつくられました。
豊かな社会の実現とともに、社会性の強い句は嫌われていったようです。
政治の時代が終ったのでしょうか・・・

姜さんには抒情豊かな句もあります。

   掌のなかの蛍と息を合わせけり

私の好きな句です。      遅足


   
コメント
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