575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

オ葉ツキもあって   鳥野

2013年11月05日 | Weblog
秋の陽光を独り占めするかのように、耀くイチョウ。
その落葉が始まるころ、銀杏の便りが届きます。
翡翠のように美しく、味も歯ざわりも最高。栄養も
たっぷり。料理の幅も広いというのに、主婦には敬
遠されがち。
その原因は手間がかかるということでしょうか。

内種皮は金槌で叩き割らねばならぬ程に固く、外
種皮は近寄り難い悪臭。とにかく手強い相手。

裸子植物イチョウ網の中で1族1種。生きた化石と
して永らえるための、完全武装なのかもしれません。

イチョウの中には、葉の上に実を結ぶという変種も
あり、「オハツキイチョウ」と呼ばれて、珍重され
ています。
扇型と思える葉に守られた、可愛い銀杏。古来から、
子宝祈願に霊験あらたか。国の天然記念物に指定さ
れている樹もあちこちに。


 ・ 銀杏を焼きてもてなすまだぬくし  星野立子

 ・ 銀杏が落ちたるあとの風の音    中村汀女
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする