575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

木曽街道蛇抜け(ジャヌケ)隠すか山法師   結宇

2016年06月04日 | Weblog
「蛇抜け」は広辞苑にもないが、「関所破り」を想像した。
そんな人を山法師の花が隠すとは・・・、時代小説のようだ、と等さん。

「蛇抜」とは、長野県木曽地方で使われている方言で「土砂崩れ」のこと。
土石流の起きた山肌に山法師の花が咲きました。
まるで傷痕を隠しているかのように見えるという意味の句です。

木曽地方に多い花崗岩質の土壌は粘りがありません。
豪雨による「蛇抜」がおきやすいといます。
「白い雨が降ったり、長雨の後に谷の水が急に止まったら抜ける」
地元でこう言って恐れているそうです。

蛇という題詠から「蛇抜」を連想したところが面白い句です。

                      遅足
コメント
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