575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

過ぎし日はビールの泡よ走馬燈    立雄

2016年06月27日 | Weblog
絵のようにイメージの鮮明な句です。泡は儚いものの喩え。

  行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。
  よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。
  世の中にある人とすみかと、またかくの如し。

鴨長明の方丈記。学校で習い、この件だけは覚えています。
この句も、その文脈のなかにあり、共感を呼びます。

走馬燈。回り灯篭ともいい、影絵が回りながら写る灯籠。
江戸時代に、中国から日本に伝わったといわれています。
「走馬灯のように」といえば、死を覚悟した瞬間に過去の情景が
脳裏によみがえる様を表しています。
この句は、それを踏まえた感じもあります。

走馬燈は夏の季語。一句のなかに二つの季語があります。
しかし、この二つの季語はケンカをしていませんね。    遅足

コメント
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