575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

石榴句会   麗

2018年10月18日 | Weblog
昨日は6名の参加でちょっぴり淋しい句会でした。遅足さんの事故から一ヶ月。句会にはまだ参加できませんでしたが、終わってからお電話したらとてもお元気そうなお声で安心しました。来月にはお元気な姿を見られそうです。

それでは石榴句会の一言講評です。なかなか難しいお題でした。

題詠「柘榴」

①実柘榴の人類初めて食べた日

ウニやなまこのように初めて石榴を食べた人の勇気をたたえました。縄文人でしょうか?下5の字足らずがもったいないかな?

②ざくろ揺れ旧事数えて軒端上ぐ

どんな旧事を思い出されたのでしょうか?今や軒端が死語になっていますが、七夕の歌にはちゃんと出てきてますよね?

③祖母の指石榴つまめば艶かし

祖母の指。働き者のごつごつした指か、あるいは白いきれいな指か?ルビーのようなつややかな石榴をつまむ祖母の細やかな指使いが艶めかしいです。

④七十余年味わい知らず柘榴の実

酸っぱくてそんなにおいしいものではないという声多数。私も実は食べたことがありません。

⑤実柘榴やこっそりぬりし母の紅

母の留守に鏡台の引き出しから取り出してぬってみた口紅。少女ならではの思い出。その赤さと石榴の赤がよくマッチします。作者は弟さんの口にもぬってお母さんにばれたとか!

⑥実柘榴や住む人の無き庭に熟れ

廃屋になった屋敷の庭に、石榴が実っていました。人も家も変わるけど石榴の生命力はそのままです。

⑦実柘榴や枝に短冊「とらないで」

実景でしょうか?

⑧はちきれて妖しく赤く柘榴かな

中七の表現に一考をという声がありました。

⑨何事ぞ呵呵大笑の熟れ柘榴

満場一致でトップ賞!「呵々大笑」という表現をつかったところがいかにも石榴らしい。「何事ぞ」もパンチがあり効いています。作者は植物図鑑を見てこの一句を作られたとか!!まさに大賞です。

⑩歯並びの鬼神のごとし柘榴笑む

こちらはより具体的に「歯並びの鬼神」と石榴を表現しました。鬼子母神ととった方もおられました。

⑪閉ぢてゐる柘榴の口や鳥の嘴(はし)

確かにくちばしのようですね。

⑫ざくろの木整地後もあり線路ぎわ

わざと残したのでしょうか?なざか切り倒せない存在感。

⑬柘榴裂ける白い歯に血を滲ませて
どこか不気味な果実の石榴。「血を滲ませて」が、これまた子供を食べた鬼子母神のようです。

いかがでしたでしょうか?
その形容がちょっとおどろおどろしい石榴の実。血を連想させる不気味さもありましたが、更年期の女性には効くそうです(笑)

次回は11月21日(水)午後13時20分~芸文12階会議室Cです。
お題は「冬はじめ」です。もう冬支度が始まりますね。皆元気にお会いしましょう!麗子

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする