575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

その中の闇に落ちたる虫ひとつ   遅足

2018年10月26日 | Weblog

この句は報告句ではなく観念句です。
虫時雨のなか、ふっと消えていく虫の声。
そんな虫もいるのでは?という句です。
一つの虫が闇に消えていった。それを闇に落ちた、と。

 そのなかのひとつの虫の闇へ落つ

これでは、あまりもそのまま。語順を変えてみました。

 その中の闇に落ちたる虫ひとつ

「その中の」と「虫」が離れて、意味が分かりにくくなっています。

 そのなかに闇の力や虫落つる

いまいちですね。「落ちる」を変えてみました。

 そのなかの闇に溺るる虫の声

まだまだ、言葉は動きそうです。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする