齢をとってからピアノを習い始める。喜寿の手習い。
喜寿とは七十七歳。むかしなら十分にお年寄りですが、
現代社会では個人差が大きくまだまだ若々しい方も多くみえます。
指を動かすことは老化防止に効果があるそうです。
喜寿の手習いにはそうした作者の気持ちも込められているようです。
この句のウイーク・ポイントは、その中七。
喜寿の手習い、にあるのではないでしょうか?
もう少し映像が見えるようにする必要がありそうです。
たとえば、鍵盤に置く喜寿の指、としてみます。
手習いかどうかは分かりませんが、久しぶりにピアノに
触れる様子は伝わります。
問題は季語の虫の声と月光。両方は生かせません。
「月光」といっても初歩もあります。「月光」を使いたかった、と作者。
まず月光を季語として使ってみます。
月光の鍵盤に置く喜寿の指
月光の鍵盤を撫づ喜寿の指
虫の声を生かして
喜寿の指鍵盤に置く虫の声
いずれも作者の意図からは遠く離れてしまったようですね。ごめんなさい。遅足