竹葉さんとともにトップ賞をとった晴代さんの句。
まさにお水取りの情景をよく捉えた一句です。中七の「どよめく闇」から「あ~」という歓声も聞こえて来るようです。
この句へのコメントをご紹介します。
竹葉さん:今年のお水取りは人数制限があるようですが、大松明を見る人はきっと火の粉を浴びてどよめき、更にその場の雰囲気を盛り上げるのではないかと想像される臨場感のある句だと思います。
能登さん:この行事のクライマックス(但し、一見の観光客が見物できるものの中のクライマックスのようですが)を的確に表現している佳句。
泉さん:火の粉を浴びると人々のどよめく声が闇の中から聞こえる。
郁子さん:お水取りを実際に見たことのない私は勝手におごそかな儀式と思ってしまいましたが
実はとても動的なものでした。どよめく闇がうまく言いあらわしている。
千香子さん:お水取りを見たときの印象そのままです。特に闇に燃える炎が原始の火に見えました。
亜子さん:◎「どよめく闇」という表現がまさに臨場感にあふれている。
今年はコロナの感染拡大防止のため無観客で行われたお水取り。今年は二月堂周辺のどよめく闇はありませんでしたが、始めて生中継されました。古くから疫病退散、無病息災を願い1270年も続いてきた奈良の伝統の行事を見て改めてその闇の深さやこの儀式の奥深さを知った感じです。一度はそのどよめく闇の中に身を置いてみたいものです。
今回の句会ではお水取りの専門用語のような難しい言葉がいくつか出て来ました。少しずつ勉強していきたいと思います。麗子