575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ひとひらのひかりにはじまるお水とり  遅足

2021年03月25日 | Weblog

「ひとひら」とは薄くて平らなもののいちまいのこと。「ひとひらの雪」や「ひとひらの花びら」などと使われることが多いと思いますが、「ひとひらのひかり」と来ました。

遅足さんはこれまでも「ひとひら」という言葉を効果的に使われています。

  ひとひらのわが子へつなぐさくらぶえ 20年4月

  窯跡に拾うひとひら風のいろ 19年9月

  さざんかやひとひら遠き訃のごとく 18年11月

 

どれも遅足さんらしい情緒あふれる句です。そして、今回「お水とり」の火にも「ひとひら」を使われました。

闇の中で一片の光から始まるお水とり。ロマンティックです。

「ひとひらのひかり」というひらがなの効果にまたしても魅かれました。

では、選句された方の感想です。

泉さん:暗闇の中、お堂から小さな光がともると いよいよはじまるという感じがする。 

能登さん:小さな光から始まるドラマの幕開きを、静かに優しく表現しています。しかも殆どひらがなで表記し、「水」だけを漢字にして、火の祭典に見えるこの儀式が「お水取り」と言うことの、「?」も表していると思います。

晴代さん:ひらかな表示が少々気にはなりますが、確かに一片から始まりますね。

いかがでしたでしょうか?

遅足は東大寺んのお水取りには行ったことがないそうですが、想像でも遅足マジックは健在です。麗子

 

           

 

 

 

 

 

コメント (1)
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