夕陽を浴びた美しい芒野。「来い来い」と「ただただ」というリフレインが効いていると思いました。夕暮れ時、手招きするようなススキの群れ。そこにはなんだか引き込まれそうな危うさも感じられます。
皆様からのコメントをご紹介します。
殿さま:音読すると響きの面白さに気がつきます。ラップのような諧謔性あふれる句。
亜子さん:◎の句。ススキを擬人化して手招きしている。少し不気味な感じも。。「来い来い」「ただただ」と繰り返しの効果が成功している。
結宇さん:散歩道には、すすき真っさかりですね。 いつもお月見時期より遅れてます。 風が脇を通るのか、自身の動きで揺れるのか。
すみさん:芒のあの動きは来い来いだったんだ。納得。
★★★
以前訪れた箱根の仙石原。一面の芒野原に思わず吸い込まれそうな気持ちになったことを、竹葉さんのこの句を見て思い出しました。
以前兼題が「芒」の句会がありました。2015年10月だと思います。その時私は
銀色の芒の原に吸い込まれ
という句を作っていました。
どこか異次元への通り道にもなっているような不思議な感覚。それは芒に手招きされていたのですね。
すみさんがその時の句会で
負ぶわれておいでおいでのすすきかな
という句を作っておられました。ここでもリフレインが効いていましたね!
また今年の9月の句会では泉さんの
夕陽浴びかがやくススキ伊吹山
というススキの句も採らせていただきました。私はどうもススキの句に魅かれるようです。あの繊細でちょっと怖いような揺れに心が揺さぶられるのでした。麗子