揺蕩う<たゆたう> ゆらゆらと揺れ定まらないという意味で情景にも心情にも使われます。「天雲の たゆたひ来れば 九月(ながつき)の 黄葉の山も うつろひにけり」<雲がただよい山は黄色に染まりかわってゆく> 万葉集。「ゆけばあり ゆかねば苦し しかすがの 渡りにきてぞ 思ひたゆたふ」<三河の豊川の渡し場で行こうか行くまいか悩む>。こちらは女流歌人中務<なかつかさ>新古今和歌集に編まれた一首。昭和に流行った演歌の源流といった感。
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