575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

玄冬や 荒ぶる灘の 劔崎 <殿>

2021年11月23日 | Weblog

玄冬<げんとう>冬の海。 灘<なだ>海の難所。劔崎<つるぎざき> 三浦半島の岬。

三浦半島は徳川家康の外交顧問を務めた三浦按針の所領地。三浦按針は英国の生まれで本名はウイリアム・アダムス。当時の国際社会はポルトガルやスペインによる大航海時代。5隻のオランダ船で極東を目指しますが、江戸に辿り着いたのは1隻のみ。当時のポルトガルやスペインの国策はカトリックの布教とともに奪略が目的。日本在留のイエズス会 <カトリック>神父や商人は英国人<アングリカンチャーチ>である三浦按針と激しく対立します。しかしカトリックとプロテスタントの確執に気がついた家康は三浦按針を250石の旗本として起用。三浦按針は英国の東インド会社との貿易条約の締結など外交官として活躍します。実は、三浦按針は家康と懇意の仲。按針は英国に戻る自由を得ていました。しかし母国に戻ることなく亡くなります。享年55歳。岬に建つ三浦按針の碑。冬の荒ぶる海を見つめているようです。

コメント (3)
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