575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

返り花かぼそき枝に震えたり  須美

2021年11月26日 | Weblog

景がはっきり浮かびます。

丁寧に写生することで、その日のお天気や風、作者の心象などを想起させ世界が広がっていくようです。

皆さまからのコメント。
・弱弱しい返り花。かぼそき枝に震えるとは、なんとはかなく、いとおしい存在でしょう(麗子)

・精密な描写から読み手の詩心を醸し出す佳句(殿)

・綺麗な句ですね(紅)

・今にも折れそうな枝にかろうじて花を咲かせている(泉)

 

こちらの句も景がさっと浮かびます。

 黒き幹抱く一輪帰り花  竹葉

・実際に帰り花を見て句を作られたのでしょう。黒い幹は桜の古木でしょうか?一輪咲いた帰り花。古木のエネルギーを感じました。(亜子) 

・観念的な句が多い中、くっきり映像が浮かぶ秀句(能登)

・黒き幹抱く一輪が好き (須美)

幹からひょろりと細い枝が出て花をつける不思議ですね。

作者 竹葉さんは

【「黒き幹」で桜をイメージできるかと思いますが、花桃の黒い木に、真っ赤な花を付けたのを詠みました。

「赤き一輪」か「いだく一輪」か迷いましたが、帰り花を女性的に感じたので「抱く」を生かしました 】 とのことです。

黒き幹は佐保子さんもとりあげた花桃でしたね。古木のようです。

 何の木ととふまでもなし帰り花  来山

 

返り花。帰り花。戻り花。帰り咲。狂い咲。二度咲。忘れ花。

いろいろと呼ばれる今回の詠題は、和歌・連歌にはないようで、

俳諧に到って盛んに作られたということ。

とりわけ元禄・天明の俳人たちは、この現象に興趣をもやしたそうです。  

今回は他にも山吹、鉄線と色のある帰り花もありました。

やはり実際に見たり経験することが大切ですね。出不精の私は反省です。郁子

 

 

コメント
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