景がはっきり浮かびます。
丁寧に写生することで、その日のお天気や風、作者の心象などを想起させ世界が広がっていくようです。
皆さまからのコメント。
・弱弱しい返り花。かぼそき枝に震えるとは、なんとはかなく、いとおしい存在でしょう(麗子)
・精密な描写から読み手の詩心を醸し出す佳句(殿)
・綺麗な句ですね(紅)
・今にも折れそうな枝にかろうじて花を咲かせている(泉)
こちらの句も景がさっと浮かびます。
黒き幹抱く一輪帰り花 竹葉
・実際に帰り花を見て句を作られたのでしょう。黒い幹は桜の古木でしょうか?一輪咲いた帰り花。古木のエネルギーを感じました。(亜子)
・観念的な句が多い中、くっきり映像が浮かぶ秀句(能登)
・黒き幹抱く一輪が好き (須美)
幹からひょろりと細い枝が出て花をつける不思議ですね。
作者 竹葉さんは
【「黒き幹」で桜をイメージできるかと思いますが、花桃の黒い木に、真っ赤な花を付けたのを詠みました。
「赤き一輪」か「いだく一輪」か迷いましたが、帰り花を女性的に感じたので「抱く」を生かしました 】 とのことです。
黒き幹は佐保子さんもとりあげた花桃でしたね。古木のようです。
何の木ととふまでもなし帰り花 来山
返り花。帰り花。戻り花。帰り咲。狂い咲。二度咲。忘れ花。
いろいろと呼ばれる今回の詠題は、和歌・連歌にはないようで、
俳諧に到って盛んに作られたということ。
とりわけ元禄・天明の俳人たちは、この現象に興趣をもやしたそうです。
今回は他にも山吹、鉄線と色のある帰り花もありました。
やはり実際に見たり経験することが大切ですね。出不精の私は反省です。郁子