575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

雪女雪をしゃぶって溶けにけり  朱露

2008年11月26日 | Weblog
先日の句会での朱露さんの句。


雪は実在しているが、雪女は実在しない。
しかし雪女はいるのです。
実在はしないが、確かにいるもの。
それが雪女の魅力。そんな存在に心惹かれたのが朱露さん。

この句、どう読むのか?
上五の「雪女」で切って読むと、
雪をしゃぶるのは人間、というか作者。
雪女の世界に迷い込んで、雪をしゃぶっているうちに
(しゃぶる、という表現に幼児のイメージがある)
溶けてしまった人間。
それと同時に雪女も溶けてしまう。

雪女が自分で雪をしゃぶって溶ける、とも読めるけれども
それだと、雪では、ちょっとヘン。

実在しないものに心奪われて、自分をなくしてしまう。
そんな魔力を持つもののひとつが雪女。

女性たちからは、雪女を詠む女性はいないのでは?との声。
もちろん雪男も魅力なしと。

   

桜散るあなたも河馬になりなさい  

の作者、坪内稔典さんが、なぜ河馬好きなのか?
そんなことについて書かれた文章を見つけました。

   

坪内さんは、子供の頃、「カバヤ文庫」の大ファン。
カバヤ文庫とは、カバヤキャラメルの景品の
世界名作全集のダイジェスト版。

坪内さんは、このカバヤ文庫に大きな影響を受けたそうです。
そして昭和59年には「おまけの名作・カバヤ文庫物語」
という本まで書いています。

名古屋でも、カバの自動車を見た記憶が。
たしかにキャラメルの広告車でした。
カバヤキャラメルは、戦後間もない創業、
世の中には、戦争はもう沢山という空気が。
そこで、平和を願い、おとなしいイメージからカバが選ばれたとか。

カバはノンビリとして平和主義者に見えますね。

                     遅足 




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1 コメント

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雪女 ()
2008-11-26 12:04:57
朱露さんのこの句。句会で物議を醸しましたね。
雪女をしゃぶったのは朱露さんだということになり
ましたが果たして作者の意図は??

雪女が雪をしゃぶるということは
自分で自分を殺してしまう行為でありそれはかなしく切ないですね。でもそのあたりが雪女の魅力というか妖しさなのかも知れません。
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