575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

母の日    麗

2015年05月14日 | Weblog
声優の大山のぶ代さんが認知症とのこと。2分前のことが思い出せないそうです。
ドラえもんの力でなんとかならないかな?

うちの母も同じような症状で、今食べたばかりのお昼ごはんの内容が思い出せません。
昔のことや調味料の置き場などは台所にしばらく立っていないのにすべて覚えているのですが。。。

人間の記憶力というのはどのようになっているのか本当に不思議です。
そんな母ですが、母の日には私が贈ったカーネーションの花束から一本抜き取って、亡き祖母(つまり母の母)の写真の前に供えていました。
お母さんは死んでもいつまでもお母さんなのですね。

今はよく作ってくれた母の料理を私が作っています。この季節はエンドウ豆の玉子とじ。一緒にエンドウをさやから出しました。

       えんどうのさやから思い出飛び出して   麗
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多作多捨   鳥野

2015年05月12日 | Weblog
時の流れの速さを、しみじみ実感しています。
句友の愚足さんが逝かれてから、はや3旬余。
折りから満開だったサクラも、すっかり若葉
の侯です。
 
愚足さんは、末妹の婿殿、随分お世話になり
ました。
突然に独りになったワタシの慰めになればと、
俳句に誘ってくれたのは彼。有季定形の基本
から、歳時記のこと、句会の決まり、等々な
にくれとなく手引き。初心のワタシに575
の会を紹介してくれました。
そうして結ばれた会とのご縁。大切にせねば、
と自戒しております。
多作多捨は彼の信条。「そんなの勿体ない」
と言うワタシを「解っちゃいないね」と笑っ
顔が浮かびます。

 多作多捨口癖の人春に逝く  鳥野
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5月句会が近づいてきました。    遅足

2015年05月11日 | Weblog
今回の題詠は「金魚」です。
和金、琉金、らんちゅう、出目金など色々。
歳時記では金魚は動物の項。
また生活の項目には、金魚鉢や金魚玉。

子供の頃は出目金を飼っていました。
退職の前に、和金を5匹買いました。
2匹は水が合わなかったのか、早く死んでしました。
残りは長生きでしたが、今は犬や猫と同じ土の下です。

金魚玉というとこの句を思いだします。

  金魚玉とり落しなば鋪道の花

作者は波多野爽波。一瞬の美を捉えた美しい句です。

             

応答の一日一句

  スケッチの背に立つ二人花菖蒲   孝

  密会とおぼしき二人花菖蒲     亜子

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豆の花この遺伝子は母のもの   遅足

2015年05月10日 | Weblog
自分は、父母のどちらに似ているのか?
はじめは無意識のうちに父と比べていました。
外では柔和な父でしたが、家では亭主関白。
短気でした。
三人兄弟の長男の私と三男が受け継ぎました。
次男は誰に似たのか?
怒った顔を見た記憶はありません。
案外、短気なのかも知れませんが・・・

母の死後は、母に似ていると思うことが多くなりました。
予定の時間より早く支度をして・・・なんとなく持て余している。
妻に言わせると母にそっくりだとか。
戦後まもなく家の建築資金を借りて、返済が一日遅れました。
その悔しさから何事も早め早めに、とは母の人生訓。

            

応答の一日一句

  小さき手の指さす先の鯉幟    孝

  せがまれてタカイタカイや鯉幟  亜子

戦後間もないころ豊橋に住んでいました。
一匹の鯉幟が空を泳いでいました。
紙のこいのぼりでした。      (遅足)



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春色の山本リンダうらうらら   狗子

2015年05月09日 | Weblog
山本リンダの歌。ちょっと舌足らずの声で歌うのが魅力にも。
『こまっちゃうナ』『どうにもとまらない』などがヒット。
『狙いうち』の冒頭が「ウララ ウララ…」でした。
「うらら」という言葉から40年前の歌が狗子さんの頭に蘇りました。

作詩は阿久悠。爛熟日本の昭和を代表する作詞家です。
いまも狗子さんの頭のなかを占拠しているようです。

              

応答の一日一句

  シャボン玉またシャボン玉シャボン玉  孝

  うたかたの恋の日ありきシャボン玉   亜子

シャボン玉。とても懐かしい響きがあります。
3回もシャボン玉と言わずにはいられない気持ち。
よく分かります。
                     遅足



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麗日や佳きこともなし雲眺む    能登

2015年05月08日 | Weblog
これこそ至福、ゆっくりと刻が流れて、と鳥野さん。
のんびりした春の日、と智恵さん。
一方、立雄さんは、フクシマのことなどを思って・・・と。

うららかな日射しのなかに浮かぶ雲。
一つの映像に、読者は自分なりの音楽をつけて読みます。
「も」という助詞が微妙な働きをしているかな?

雲に魅せられた写真家。最初は教材として生徒たちに見せるために。
でも、そのうち二度と同じ雲に出会うことがないことに気付きます。
さまざまな形や美しさに魅了されてしまったそうです。
雲を見ていると「そこで今、何が起こっているのだろう」と
想像力や好奇心をかき立てられるとのこと。

私も一時期、雲を見つめていたことがありました。
雲を見ていると人間の世界が小さく感じられます。
まさに「この世は佳きこともなし」の心境です。

             

応答の一日一句

  ベランダに不意の侵入シャボン玉   孝

  息ひとつ宇宙に放つシャボン玉    亜子

今日も晴れ。奥さんは友人たちと旅行です。
中村草田男の句

  妻二タ夜あらず二タ夜の天の川

を思いだします。(遅足)



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連休終わって    麗

2015年05月07日 | Weblog
GWはいかがお過ごしでしたか?
私は三輪明宏さんの舞台「黒蜥蜴」を見にいきました。80歳の三輪さん、豪華な衣装とセットでオーラ全開でした。次の日、初めて行った喫茶店で郁子さんご一家に偶然遭遇し、なんだかパワーが充電された感じです。

それにしても箱根山の動きが気になります。ここ数年、箱根に出かけて大涌谷で黒玉子食べていたので
早く落ち着いて欲しいと願うばかりです。大地のエネルギーが感じられて大好きな観光地でしたが、やはり自然の脅威には屈するしかありませんね。
三輪さんいうところの「正負の法則」。物事には必ずいいことも悪いこともあるというもの。自然の恵みと自然災害。うまくバランスがとれてまた出かけられるようになりますように。

       春炬燵しまい忘れてはや立夏    麗


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今日は立夏      遅足

2015年05月06日 | Weblog
中日新聞のマンガも立夏を取り上げています。
「夏めいてくると言っても、今朝なんて肌寒いし」と
朝食をつくっている女性がつぶやいています。
確かに、今朝は、さあ夏です、という実感はありませんね。

ものごとの転換点は気が付きにくいものです。
後になって、あの時が、と気づきます。
感覚の鋭い人は、変化に敏感でしょうが。
私は、かなり後になって気が付くほうです。

「立夏」と言う季語を聞いて、夏が始まったと知る。
文化的な虚構、からくりでしょうか。
(これは荻原先生の受け売り)

  読み終えて本に栞や夏立ちぬ

終えて、が難かな?

  読みさしの本へ栞や夏立ちぬ

夏立ちぬ、が強すぎるかな?

  読みさしの本へ立夏の栞かな

          

応答の一日一句も立夏。

  夏立つや木漏れ日叩く散策路   孝

  放課後の路上のダンス夏来たる  亜子


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弘法麦の穂   鳥野

2015年05月05日 | Weblog
昔とはすっかり景色が変わってしまって、とは
年配の人からよく聞く話です。
この辺りでその代表格と言えば、知多半島の伊
勢湾沿いでしょうか。
白砂青松だった浜に大型タンカーが接岸し、道
路網は整備され、セントレアからは、ジェット
機の離着陸が目まぐるしい。
そんな変化の中、置き忘れられたかのように、
点在する砂浜。

その一つに、ハマヒルガオが見事、というお誘
い。出かけて見ると、ホンに可憐な薄紅の花が
潮風に耐えていました。

気が付くと、優しいハナの立居を守るかのよう
に、すっくと立つ武骨な植物があちこちに。
弘法麦、と教えられました。雌雄異株で花は穂
状。能筆で知られる弘法大師の筆にあやかって
名付けられたもののようです。

・ コウボウの筆で描くや春の浜   鳥野



 



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麗かや白亜の城のそびえ立ち   すみ

2015年05月04日 | Weblog
まさに「麗らか」の本意に合った句ですと、等さん。

お化粧直しの終わった姫路城を詠んだそうです。
春の明るい日差しのなかに真っ白な天守閣の姿。
凛々しくも美しい景です。

日本には白と黒の天守閣があるようです。
これには豊臣と徳川の対決が絡んでいるという説も。
豊臣家は、関白と侍従の枹色である黒。
熊本城、岡山城、松本城などは黒い天守。
これに対して、徳川家は「源氏」を称して、白。
姫路城改築にあたった池田輝政は白亜の城に。

          

応答の一日一句

  燕飛ぶ「飛燕」と呼ばれた戦闘機   孝

  末っ子の父への頭突き燕来る     亜子

ひさしぶりの雨。花や草木には恵みの雨。
留守の間に頂いた植木を枯らしてしまいました。
申し訳ありません。          
                   (遅足)
 
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うららかや身の掩い取れ前の海   結宇

2015年05月03日 | Weblog
これは難解な句です。どう読んだら良いのか?

浜に打ち上げられた沢山のクジラ。
必死の救助作業が行われました。
肌が乾燥しないように、とりあえず全身を覆われました。
その身の掩いが取られ、目の前の海へ。
何頭のクジラが救われたのでしょうか?
これは郁子さんの解読です。確かに!!!

あの利口なクジラも集団で浜にあがってしまう。
原因はよく分かっていないそうです。
大地震の前触れと言う風聞も・・・

          

応答の一日一句

  闘病の友の絵手紙夏近し   孝

  頬ゆるぶ眠り弁天夏近し   亜子

今日は憲法記念日。戦争は二度としないとう誓い。
数多くの命の犠牲のうえに施行された平和憲法。
いま、同じ日本人が変えよう頭としています。
                    (遅足)




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爺(じい)が笑いやがて嬰(やや)笑むうららけし   静荷

2015年05月02日 | Weblog
連れ笑いの景、羨ましいこと、と鳥野さん。

普段は小難しい顔の爺も孫にはかないません。
やさしい笑顔を振りまきます。
ややあって嬰もニッコリ。爺さん、またニッコリ。

わずか17文字の俳句。時間の経過を詠むのは難しいとされています。
それに挑戦した作者。見事に成功。

昔の日本では、男は齢をとると、課役は免じられました。
そして、神仏に近い存在と考えられ、「翁」として尊敬されました。
絵巻でも、神々は翁の姿で描かれています。

今の爺さんは神にも仏にも近くなってはいません。
どこで、どう間違えたんでしょう?

            

応答の一日一句
 
  陽炎の中に戦火の街を見し    孝

  陽炎や丁字路多き城下町     亜子

陽炎の中に燃える名古屋の街を見たのでしょうね。
戦争は幻のままであってほしいものです。(遅足)

   

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青空へ花のさざなみ広がりぬ  遅足

2015年05月01日 | Weblog
今回の旅行で最初に訪れたのが「ひたち海浜公園」
春にはネモフィラの花が咲き、丘は真っ青に。
写真はその丘です。上まで登ると海がみえました。
ネモフィラは、いぬふぐりと同じ青。花は大きく美しい。
丘一面に約450万本が咲いていました。

空の下に、もうひとつの空があるようです。
風のさざ波が花を戦がせて丘を駆け上って・・・空まで。

ここはその昔、陸軍の飛行場。敗戦後は米軍の射爆撃場に。
日本に返還され公園に。
平和こそ普通の国にふさわしいと思いました。

          今日も

応答の一日一句

  定年の便り三通鳥曇り   孝

  心中の跡記す碑や鳥曇り  亜子

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