575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

金曜日金魚をフライにしてた日々   狗子

2015年06月15日 | Weblog

言葉遊びの一句。中学の英語勉強法でした。

日曜日   日の光サン サンデイ
月      月桂冠を望む マンデイ
火      火に水を チュウズデイ
水      水田に苗を ウエンズデイ
木      木刀腰に サーズデイ
金      金魚を油で フライデイ 
土      お土産持ってごぶ サタデイ

私は習いませんでした。これなら覚えやすい。(遅足)

梅雨ですが、こんな句も。

  金魚沈む西日本は豪雨にて  長谷川かな女

           

応答の一日一句

  黒ビール薄き白身のカルパッチョ   孝

  教え子も恩師も白髪ビールかな    亜子

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一枚の霧をへだてて富嶽かな   遅足

2015年06月14日 | Weblog

初めて富士山に行ってきました。もちろん車です。
まだ山開きの前、五合目より上は登ることは出来ません。
案内の方に教えていただいたのが、五合目にある奥庭自然公園。
駐車場から10分ほど坂道を下ると、天狗の庭と呼ばれている平地に。
昔の噴火口だったところが奥庭自然公園です。

遊歩道を一周30分ほどで回れます。
歩道の両側には、カラマツ、シラビソ、コメツガの林。
地表には、コケモモ、タカネバラなどが。
白い小さな花が咲いていたり、蝶が飛んでいました。

梅雨に入ったばかりで、富士山は霧に隠れたまま。
幸運なことに、目の前の霧が消える瞬間がありました。
そこに雄大な富士の姿が・・・
ほんの数分の間の出来事。あとはまた霧の幕の中に。

この奥庭から見た富士山。写真では高く見えませんが、
富嶽という言葉のほうがふさわしい男性的な姿でした。

 

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ビニールで揺られる金魚家近し  すみ

2015年06月14日 | Weblog

すぐ死んでしまうとわかっていても、大切に運びました、と智恵さん。

一匹も掬えなかった子が、おまけの金魚を大切に。
句会では、下五の「家近し」に意見が分かれました。
金魚を持っている子の逸る気持ちが出ていて良い。
いや、揺られる、で分かるからいらない。
みなさんはどちらに賛成されますか?

「近し」は文語。口語の「揺られる」を文語の「揺らるる」
「で」と「に」変えて文語で表現してみます。

  ビニールに揺らるる金魚家近し

なめらかになりました。
しかし、揺れる心が感じられなくなります。(遅足)
  
  放たれて金魚あはてる鉢の中  中村真由美

          

応答の一日一句

  値札取りおろす作務衣や白絣  孝

  片恋の写真一葉白絣      亜子

 

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金魚鉢嵐を余所のあぶくかな   郁子

2015年06月13日 | Weblog

嵐が吹き荒れていても、ガラス一枚へだてたところで
優雅に泳ぎ続ける虚飾の世界?・・ちょっと言い過ぎか(笑)
金魚鉢の脆さ、危うさを詠みこみたかったのですが、と作者。

景に託してこころを詠む。まさに俳句のお手本のような句。
なぜ採らなかったのか?選句の力の貧しさを痛感しました。(遅足)

  雨垂れの音を映して金魚玉  金堂豊子

応答7の一日一句

          

  冷麦の器薄きがよろしかり    孝

  冷麦や「手を洗って」と母の声  亜子

 

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夕焼けの手がのびてくる金魚玉    遅足

2015年06月12日 | Weblog

夕焼け時、人の手が金魚玉へのびてくる。
ひょっとすると猫の手が・・・
あるいは夕焼けに染まった光が届いているのかも。

句会ではさまざまに読んでいただきました。

こんな夕焼けの句があります。

  夕焼けがきりんの首を降りて来る   山田弘子

       

応答の一日一句

  堀川の濁り薄れし梅雨の入り    孝

  濁り川濁れるままに梅雨に入る   亜子

 

 

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髪洗う   麗

2015年06月11日 | Weblog

今月の兼題「髪洗う」。

以前「髪洗う」で俳句を作った気がして手帳を見てみると

2012年の8月に

      髪洗う腑に落ちぬこと多かりき

という俳句を作っていました。その時どんな腑に落ちぬことがあったのでしょうか?(笑)

黛まどかさんの俳句に

     平凡の二文字を嫌ひ髪洗ふ

という句がありました。平凡が一番と思いつつなかなか欲が捨てられない。この気持ちよくわかります。

去年手術のあとに髪が洗えたことがどれだけ嬉しかったか。そろそろ俳句を作らねばりませんね。今日は湿気が多く髪がぼあっとしてなんだかさっぱり切りたい気分です。

     

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ひたすらに、生きて   鳥野

2015年06月09日 | Weblog

 ・ もの思えば沢のほたるもわが身より
   あくがれいづる魂かとぞ見る

ホタル、と聞けば思い出します。作者は和
泉式部。鞍馬山から流れ下る貴船川畔に歌
碑も建てられています。
式部は一条天皇の長保5年、愛し愛された
敦道親王を喪い、間もなく弟君、為尊親王
の寵を受け入れます。
中宮彰子に仕え、後に藤原保昌に嫁し、そ
の時の連れ子が小式部内侍。
激しい愛の遍歴に「浮かれ女」と誹られな
がら、歌に日記に、情熱のありたけを、燃
焼し尽くしました。

後世、藤原定家の選によるという「小倉百
人一首」には母子ともに、一首ずつが選ば
れています。

 ・ 浮名負いし和泉式部の魂美しと貴船の
   歌碑に沢蛍棲む            鳥野
   

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6月句会近づく   遅足

2015年06月08日 | Weblog

今回の題詠は「髪洗う」です。
髪は一年中洗いますが、夏の季語となっています。
汗をかく夏には髪をあらう機会が多いからでしょうか。

  髪洗ひ今日の愁ひは今日捨てん  山田弘子

おなじ作者の句にこんな句も。
 
  髪洗ひさらり忘れしなんて嘘

高校生の句を2句。

  髪洗い夏の香りが残りけり  太田有紀(高校1年)

  進学の事を考え髪洗う    川上まなみ(高校3年)

髪を洗う句は女性の専門のように詠まれてきました。
最近は男性もオシャレに・・・
男性たちはどんな句を詠むのでしょうか?

いつもは水曜日にお知らせしていますが、
ちょっと早めの今日お知らせします。
よろしくお願いします。

           

応答の一日一句

  夜更けての厨の音や麻布団   孝

  末の嬰覘く姉妹や麻布団    亜子

 

 

 

 


 

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待合せ金魚ながめつあと五分   晴代

2015年06月07日 | Weblog


あと5分欲しいというのでしょうか?と結宇さん。

喫茶店での知人との待ち合わせ。
なかなか待ち人が現れません。
所在なく金魚をながめつつ・・・
あと5分待つことにするか。
中七は正確には、金魚ながめつつ、ですね。

  あと五分金魚をながめつつ待たん

  熱帯魚人を待つ目の置きどころ  黒坂紫陽子

          
応答の一日一句

  新しき作務衣の折り目薄暑かな   孝

  露天市肩触れ合へば薄暑かな    亜子

 

 

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お風呂場にブリキの金魚ありました   佐保子

2015年06月06日 | Weblog

懐かしいおもちゃ、口が如雨露になっていたっけ、と鳥野さん。
物語のはじまりのような句、という声も。
たしかに童話の書き出しのようです。

このブリキの金魚は浮人形(うきにんぎょう)のこと。
行水のときに子供が水に浮かべて遊んだ玩具。季語にも。

ブリキで、車・電車・船などのおもちゃを創ったのがドイツ。
第一次世界大戦後、ドイツに替わって、日本のメーカーが台頭。
戦後まで、重要な輸出品となって外貨を稼いだそうです。

古いブリキのおもちゃは、今も愛好家の間では高値で売買されています。
昭和の匂いがするのでしょうか?

  鈴木忌の水にブリキの金魚かな   攝津幸彦
 
現代の浮き人形は、錆ないポリエチレンや塩化ビニール製。
入浴剤などと一緒に売られています。

           

応答の一日一句

  夏の日ややや膨らみし幹の瘤    孝

  夏の日や馬つなぎ石旧道に     亜子

 

 

 

 

 

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泡ひとつふたつ金魚のつぶやきぬ   亜子

2015年06月05日 | Weblog

話しかけの言葉、聞き取ることはできましたか、と鳥野さん。
金魚がしゃべるはずもないのですが、独り言は自分の事か、と結宇さん。

句会では、漫画の一齣を見るようです、という声も。
たしかに吹き出しのような泡。そこに言葉を入れてみたら・・・
どんな物語が生まれてくるでしょうか。

「夢」「恋」「訃の」

  ゆふぐれの金魚となりてつぶやける   軽部烏頭子

          

応答の一日一句

  風涼し大日如来に見詰められ   孝

  身の丈の草鞋吊され寺涼し    亜子

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梅雨前に    麗

2015年06月04日 | Weblog

まもなく東海地方も梅雨入りしそうな気配。今日は強めの風が吹き渡っています。

毎朝、近くの公園を20分ほど歩いているのですが、定年後のチームらしき草野球の試合が行われていました。白いユニフォームに青い帽子。帽子から白髪ものぞき、体型はやはりシニアですが心は野球少年のまま。朝からとてもお元気です。なんだかほほえましく思えました。

      梅雨晴れ間草野球の声風に乗る

 

PS

郁子さんから「金沢ふるさと偉人館」に行かれたと連絡がありました。今そこで、「反骨のジャーナリスト桐生悠々展」が開かれています。悠々さんのお孫さんにあたる郁子さん。悠々おじいさまの掛け軸などを出展されたそうです。地元の小学生たちとおじいさまの業績や遺品などの展示を見学されたとのこと。あちらの世界で悠々さんも、名古屋から孫、ひ孫が来てくれてさぞかし喜んでおられることでしょう。

悠々さんは金沢の第四高等中学時代、徳田秋声とともに上京。帝国大学を卒業後、下野新聞を始め新聞記者として活躍された方。反骨のジャーナリストとして言わねばならぬことを言い、晩年は名古屋の守山で個人雑誌「他山の石」を発行されていました。戦後70年、悠々さんなら今の世の中をどうご覧になるでしょうか?金沢にお出かけの際は是非金沢ふるさと偉人館へ行ってみてくださいね。パンフレットアップしておきました!

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比叡よりおりて離宮の青田風    遅足

2015年06月03日 | Weblog

修学院離宮を見学してきました。

葉書で申し込んだ結果、30日、土曜日の午後3時から。

ガイドさん付き、30人ほどで見学。

この離宮は、江戸時代に後水尾上皇がつくられた庭園。

高台にある茶室から、京の街を見下ろしながら茶を楽しんだそうです。

一番面白かったのは、庭園のなかに水田のあったこと。

田植えも終わって比叡からの風に苗が揺れていました。

幸い曇っていて余り暑くなく、一時間余の見学を楽しみました。

写真は高台から見た浴龍池。京都の街はかすんで映りませんでした。

              

応答の一日一句

  六月や虫眼鏡手にゲラ直し    孝

  六月や韓国舞踊野を染めて    亜子

 

             

 

 

 

 

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ホタル幾万    鳥野

2015年06月02日 | Weblog

蒸し暑い名古屋の夏。ふと、ある年の初夏に馴染みの
ホテルが、用意してくれた「ホタル観賞」の小さなツ
アーのことを思い出しました。
目的地は中信濃、上田市丸子はずれの「狐塚」。
同行のホテルマンから、マナーを聞き、細い懐中電灯を
渡されました。
ホタルには見えないという、赤いセロハンが巻いてあり
ます。

 狐塚は千曲川の枝川の枝川、更に、水路伝いの奥。遠
くからも、光の乱舞がみえます。
飛び交い、明滅し、葉裏に止まり、息ずき、また舞う。
まさに光の渦。短い命を燃焼し尽しての、種の継承と見
ました。

 ホタルを守るための、地元の人の努力。カワニナを育
て清流を守り、無農薬農業、頭がさがります。
 
 今年もホタル観賞は行われるとのこと。

  
  ・ 中信濃丸子はずれの狐塚温き里人ホタルを守り来

  ・ 狐塚に産土さまの座し賜う万のホタルの生れてまた生る

                      鳥野

   
       

    

 

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掬われて諦め顔の金魚かな   立雄

2015年06月01日 | Weblog

掬われて観念の眼の金魚かな  能登

中七の表現に違いがありますが、ほぼ同じことを詠んだ句。
諦め顔、と観念の眼。
観念の眼のほうが、映像がくっきりとしています。
中七は色々に詠むことも出来ます。

 掬われてその身重たき金魚かな  遅足

掬った金魚への思いやり。今夜からは共棲みです、と鳥野さん。
あたたかな読み方です。
どこか嫁入した女性を連想する読みです。(遅足)





 

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