575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

赤ちょうちん魔女のビールを酌み交わす   遅足

2016年06月15日 | Weblog
6月句会の投句が集まりました。
ビールの美味しい季節となりました。
みなさんのどんなビールを詠まれたのか。
14の句があつまりました。

題詠「ビール」
①美男美女ビール飲み干し本題へ
②膨れ上がるビールの泡に足るを知る
③午後よりは茶断ちの夕べビール浴ぶ
④皆そろひまづはビールと幹事いふ
⑤過ぎし日はビールの泡よ走馬燈
⑥ニホニウム発見までのビール断ち
⑦わが眠る棺にそそげ黒ビール
⑧まあまあと一言居士につぐビール
⑨乾杯の夕陽に透けるビールかな
⑩国中は喧騒競ふビール箱
⑪ビアガーデン漆黒駆けよ泡サンタ
⑫気がかりなこと晴れし日の缶ビール
⑬ビヤホールダンスパーティーハワイアン
⑭ひとことが長くてぬるいビールかな

自由題
①母逝きし月に咲く花夏椿
②ビール飲まずしてひと日のむなしさよ
③紫陽花の小雨に冴える古刹かな
④寿司香る句座昼席の名残かな
⑤一匹の蛍が闇を待っている
⑥父の日や戦地経し父幾人(いくたり)に
⑦雨ならばそれでよし遮断機上がる
⑧裁ち台に頬杖低し紫陽花
⑨濡れ縁にをみな涼しく正座せり
⑩レントゲン待合室の五月闇
⑪草むしり猫の額が牙を剥く
⑫黒い雨止みて折鶴夏空へ
⑬歳時記を繰る手も重し梅雨の空
⑭なにものかひそむ気配や木下闇



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棒切れを拾っては捨てまた拾う 幼児の手にアヤメ咲くなり  遅足

2016年06月13日 | Weblog
2歳くらいの男の子が小石を拾いました。
そして捨て、また拾い、捨てていました。
繰返して倦むことがありません。
まだ手を思うままに使いこなせないようです。
ギコチナイ仕草です。
しかし、子供の目はキラキラしています。

小石に興味があるというより、
自分の身体と遊んでいるのかも・・・
手が自由に使いこなせる。それがたのしくて。
人類は、こんな試行錯誤を何万年も繰り返し、
遂に石を道具に使いこなす術を学んだのかも。

最近、右手が前のように意のままに動きません。
ぎこちないのです。困った加齢現象です。











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あぢさゐはすべて残像ではないか   山口優夢

2016年06月12日 | Weblog
あぢさゐ、という季語の周りを残像という言葉が回っている。
季語のあぢさゐ、と残像という言葉は同じ重さ。
お互いに引きあって、詩の宇宙をつくっています。

なぜ、あじさい、でなく、あぢさゐ、なのか?
他の言葉は口語なのに季語だけは旧仮名。
作者は、目の前の紫陽花のことを言っているのではなさそうです。
和歌、俳句の伝統文化に詠まれてきた文芸としてのあじさゐ。
あるいは言葉となった紫陽花を、こう表記している。
そして、それはすべて残像ではないか?
言葉の世界はすべて残像ではないか、とも読んでみました。

オスカー・ワイルドいわく「自然は芸術を模倣する」

                         遅足
  

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妻のこえ蛍のごとく点りけり    遅足

2016年06月11日 | Weblog
平安神宮の大鳥居のある辺りから琵琶湖用水の一部は南へ。
祇園を通って鴨川までにの水路、白川と呼ばれています。
この白川に蛍が出る、と聞いて夕食の後の散歩で訪れてみました。

目を凝らすと・・・小さな光の点滅。たしかに蛍です。
猫と蛍見物にきていたおばさん。「昔は一杯飛んでいましたが」と。

翌日は雨。ひょとして、と行ってみました。
木の下に雨宿りするように飛んでいました。

 ものおもへば沢の蛍もわが身より
        あくがれいづる魂かとぞみる
      
蛍といえば和泉式部のこの歌。
夫との仲が上手くいかなくなって貴船神社にお参り。
蛍を見て詠んだ歌。
貴船川には今も蛍が沢山飛んでいるそうです。



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日本語と英語が囲む生ビール   遅足

2016年06月10日 | Weblog
京都に行く時に泊まるのが東山・三条。
知恩院や平安神宮にも近くて便利な場所です。
すぐ近くにあるのが、古川町商店街。
焼き魚、煮物など夕食のお惣菜を売る店が軒を並べ、
テレビ・ドラマのロケも行われていました。

しかし、この10年ほどの間に、お店は激減・・・
観光客目当ての民宿やマンションに様変わり。
でも、夕方には、オジサンたちがビールを傾ける。
そんな下町の雰囲気は残っています。
居酒屋風のお店もあり、日本語にまじって英語も。
どんな話の花が咲いているのでしょうね。

          

今日は晴天。梅雨の晴れ間。
本来は、これを五月晴れというそうです。

  五月晴れ御嶽山をのぞむ朝

かすかに見えていました。



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ビール     麗

2016年06月09日 | Weblog
今月の句会のお題はビールですね。
そろそろ俳句を作らないといけませんね。梅雨入りと同時にビールの消費も増えそうです。

うちの実家は、お盆など親族が集まる際には、ビール瓶がずらりと並んだほどビール好きの家系。
父の日のプレゼントはもっぱらビールです。88歳の父は、一日の最後をビールでねぎらうのが健康の源のようです。

子供の頃は、どうしてこんな苦いものを好んで大人は飲んでいるのだろう?と不思議に思っていましたが、いつの頃からかおいしく感じられるようになりました。初めて一人暮らしをしたとき、小さな小さな缶ビールを自分のために買いました。ちょっと淋しい味がしました。

今は夫と晩酌をするのが楽しみです。ところが、ここ数日ビールに手が伸びません。検診の結果が気になって。晴れて結果が良好であればおいしく乾杯となります。
ああ、早くおいしくビールが飲めますように。

          割り切れぬ思い飲み干すビールかな  麗
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6月句会近づく   遅足

2016年06月08日 | Weblog
晴天が続いたあと、ようやく梅雨らしくなってきました。
あじさいの花が雨によく似あいます。

今回の題詠は「ビール」です。
ビールは短歌でも詠まれています。

  しみじみとわれの孤独を照らしをり札幌麦酒のこの一つ星

荻原先生の「青年霊歌」のなかの歌です。

  三日前捨てしハイネケンの缶が轢き殺されて車道を飾る

  一瞬のためらひののち販売機麒麟麦酒をみだらに吐けり

いずれも銘柄が詠まれており、歌のイメージを豊かにしています。
俳句の場合は文字数が少なく、銘柄まで詠み込んだ句は少ないようです。

古代エジプトではすでにビールは造られていました。
女性は、お肌によいとされたとか。
クレオパトラも真珠をとかして飲んでいたといいます。

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水蓮や白に華やぐ神の苑   遅足

2016年06月07日 | Weblog
先日訪れた平安神宮の庭園には、睡蓮、花菖蒲、河骨など・・・、
水辺の花が咲いていました。
早朝とあって人影は少なく、ゆったりと見物できました。

池にかかる橋の上では花婿、花嫁さんが記念撮影。
親戚もそろって、二人の周囲には華やいだ空気が・・・

この日は水蓮の花に魅かれました。
水に映った白い花の影にも清楚な美しさを感じました。
花嫁さんの白無垢を連想したのかも知れません。
お二人に幸せを。

  水蓮は神の足跡とも思う

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片陰に飛騨牛の鮨長蛇のひと   等

2016年06月06日 | Weblog
作者は、題詠に「長蛇」という言葉を選びました。

観光客でにぎわう飛騨の高山の夏。
片蔭に列をつくっている人々の列。
その先には、立ち食いの屋台。
お目当ては飛騨牛の鮨でした。
外国からの観光客にも人気があるようです。
私は苦手ですが、美味しいのでしょうね。きっと。

         

中日新聞のくらし歳時記によれば、今頃は、蛇の恋の季節。
伴侶を求めて、池や川を泳ぐ姿が見られるそうです。
蛇の交尾は長く、しめ縄はその姿を模したものとか。
昨日紹介した短歌、恋の歌だったのかも・・・

                   遅足




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蛇に会い口数少なくなりにけり    麗子

2016年06月05日 | Weblog
それまで元気一杯におしゃべりを楽しんでいたのに・・・
突然、目の前に現れた蛇のために、口数も少なくなりました。
共感を呼ぶ一句です。

歌人の小島ゆかりさんも詠んでいます。

  泳ぐ蛇みて無口なる午後ながしこよひは寝言言ふかもしれず

蜥蜴や雀蜂に出会ってもこんなことはありません。
蛇はやはり特別な存在ですね。

         

昨夜から雨。ひさしぶりです。名古屋も梅雨に入ったとのこと。
裏庭の十薬の花が咲きそろいました。
名古屋大学では今週が大学祭。
午後には雨もあがってくるそうです。

                   遅足


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木曽街道蛇抜け(ジャヌケ)隠すか山法師   結宇

2016年06月04日 | Weblog
「蛇抜け」は広辞苑にもないが、「関所破り」を想像した。
そんな人を山法師の花が隠すとは・・・、時代小説のようだ、と等さん。

「蛇抜」とは、長野県木曽地方で使われている方言で「土砂崩れ」のこと。
土石流の起きた山肌に山法師の花が咲きました。
まるで傷痕を隠しているかのように見えるという意味の句です。

木曽地方に多い花崗岩質の土壌は粘りがありません。
豪雨による「蛇抜」がおきやすいといます。
「白い雨が降ったり、長雨の後に谷の水が急に止まったら抜ける」
地元でこう言って恐れているそうです。

蛇という題詠から「蛇抜」を連想したところが面白い句です。

                      遅足
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川渡る白蛇の姿今も眼に  晴代

2016年06月03日 | Weblog
小川を堰き止めていたところに出くわした作者。
突然現れた白蛇・・・
ゆうゆうと川を渡って姿を消しました。
蛇というと、この子供の頃の出来事が思い出されるそうです。

白い蛇は神様と、幼い頃に言われた記憶があります。
弁財天の使いとされ、姿を見ると、金運に恵まれるという言い伝えも。
山口の岩国には白蛇保存会があって、見学できる施設や神社があるとか。
大切にされているんですね。

  水銀のながるるごとし川の蛇  大木あまり

先日、京都の龍谷ミュージアムで「水・神秘のかたち」
という展覧会をみました。
水に縁の深い神様として、弁財天が紹介されていました。
弁財天とは、もともとはインドの聖なる川の名。
その川が女神となり、中国へ渡って弁財天になったそうです。

注目したのは、頭の上にいる小さな神様。宇賀神という日本の神。
人頭蛇身でとぐろを巻いています。老人の顔をしています。
弁天様を見たら、頭の上も見て下さい。
                    遅足
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何かいる     麗

2016年06月02日 | Weblog
先日、名東区に住む知り合いの二階の屋根裏でごとごとと音がし、何かいると思ったらなんと!ハクビシンが住み着いていたそうです。
糞など撤去して屋根裏を貼り替える修理など大変なことに。
そしてなんと名東区には三〇〇匹ものハクビシンがいるとのこと。
あまり二階にいかなかったのでどうもハクビシンの絶好のすみかになっていたようです。糞害に憤慨!!

その話を聞いて、そういえば我が家の二階も、シャッターの戸袋から窓のサッシのところにも時々小さなふんが落ちてきていることを思い出しました。うちにも何かいる!?

ネズミかな?と思いネットで調べたらどうもコウモリのようなのです。このあたりには夕方飛来する姿を見たことがあります。コウモリって鳥類かと思いきやほ乳類なのですね。歳時記で調べたら、長く飛べる唯一のほ乳類で夏の季語であるとのこと。

コウモリの俳句も。

蝙蝠や昼も灯ともす楽屋口  永井荷風  (夜行性だから灯りをともして来ないようにしているのでしょうか?)

蝙蝠をとっさにかはし東門   今井桃青 (ひゅっと飛んで来た蝙蝠をかわす。京都か奈良の寺社でしょうか?)

我が家の場合、まだその姿を確認出来てませんが、たった二㎝の隙間に入ってくるそうです。鳥獣保護法で殺せないしスプレーを撒いてしばらく様子を見ることになりました。

別の友人は戸袋の中に椋鳥の巣が出来て雛がかえったそうです。動物たちも必死に住むところを探しているのだろうけどやはり衛生面で気になります。

それにしても最近ではなかなか見ることのできない蝙蝠。シャッターの中にいるなんて!!

       コウモリやひきこうもりとなりにけり    麗
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嫌だけど少し可愛い子供へび   狗子

2016年06月01日 | Weblog
山を登っていた作者は、小さな蛇を見ました。
ほんの2センチくらいの子供のヘビです。
蛇嫌いの作者も、思わずカワイイと感じました。

我が家の二人の息子が小学生の低学年の頃でした。
二段ベッドの下に、蛇の卵を隠していました。
近くの雑木林で見つけたヤマカガシの卵が2つ。
ビックリしたのは親の方。

ヤマカガシは、毒はありますが、おとなしいとか。
能登さんのおっしゃるように、素直に見ればカワイイのかも。
さはさりながら・・・
返して来い、と命じました。   遅足

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