今回の題詠は「萍」「浮草」です。「根無草」とも。
辞書によれば。
①池や沼の水面に浮かんで生える水草のこと。
②ウキクサ科の多年生の水草。池沼などの水面に浮かぶ。
茎は扁平で倒卵形。葉がなく中央付近から数本の根が出る。
ナキモノグサ。カガミグサ。ネナシグサ。
俳句では夏の季語。
③風の動きのままに水面をあちこち漂うことから、
生活が不安定で落ち着かないことのたとえ。
萍の動きて水の動きだす 飯塚やす子
沼とか流れのよどんだ川でよく見ます。
水の動きを映し出してくれる様子を詠んだ句ですね。
孤独なれば浮草浮くを見にいづる 細見綾子
こちらは③の意味を踏まえた句でしょうか。
萍や天日をのせ動かざる 遅足
池一面の萍。昼すぎたばかり。お日さまは頭の上。
風も死んで物音ひとつしない。そんな風景を思い出しました。