575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

7月句会が近づいてきました。

2018年07月11日 | Weblog

今回の題詠は「萍」「浮草」です。「根無草」とも。

辞書によれば。
①池や沼の水面に浮かんで生える水草のこと。
②ウキクサ科の多年生の水草。池沼などの水面に浮かぶ。
茎は扁平で倒卵形。葉がなく中央付近から数本の根が出る。
ナキモノグサ。カガミグサ。ネナシグサ。
俳句では夏の季語。
③風の動きのままに水面をあちこち漂うことから、
生活が不安定で落ち着かないことのたとえ。

  萍の動きて水の動きだす  飯塚やす子

沼とか流れのよどんだ川でよく見ます。
水の動きを映し出してくれる様子を詠んだ句ですね。

  孤独なれば浮草浮くを見にいづる  細見綾子

こちらは③の意味を踏まえた句でしょうか。

  萍や天日をのせ動かざる  遅足

池一面の萍。昼すぎたばかり。お日さまは頭の上。
風も死んで物音ひとつしない。そんな風景を思い出しました。

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蛇苺  中日歌壇に!

2018年07月10日 | Weblog
今朝の中日新聞中日歌壇に宗匠の歌入選です。

小島ゆかり選

   人の世の出口にみのる蛇苺ふふめば遠き夕焼けの味


 評:上句、感覚的なシュールな表現でありながら、底深いイメージの力がある。
   そして下句の感傷的なフレーズに情感がある。


おめでとうございます。
前回の句会で、
静荷さんが蛇苺を食べたという話で大盛り上がりしました。
毒はないけど、まずいということ。
私も子どもの頃の記憶を呼び覚ましました。
幼心になぜかあの「赤」が怖くて手も触れられなかった。
人の世の出口に一番遠いところにいたからでしょうか。。
本能的に遠ざけたのでしょうか。。

郁子
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さよならはわたしからいうサクランボ   遅足

2018年07月09日 | Weblog

サクランボを恋人(男)の前で食べるのは何か意味があるとか言いませんか?
可愛らしく、別れを明るくしようという意味かな?と、結宇さん。
自分からさよならを切り出す人と、サクランボの取り合わせが良い、とすみさん。

神代の話ですが、イザナキ、イザナミの神が出会い結婚しようとした時です。
「ああ良い男」と女神から声をかけたところ、蛭子が生まれました。
そこで、まず「ああ良い女」と男神から声をかけるようにやり直したそうです。
愛の主導権は女性ではなく男性にあるというメッセージでしょうね。
それから女性は「待つ女」という立場を強いられてきました。

句の主人公は女性。明らかに恋の主導権は私が、と宣言しています。
古事記の時代から千年以上経って、女性は主導権を取り戻したのでしょうか?
そして男性のなかにも「強い」女性に憧れて「待つ」男性も出現しているとか・・・

俳句としては、中七の「いう」の2文字はない方が良いのですが、
その2文字をどう生かすのか?考えつきません。

               

あれだけ降った雨もあがり今朝は青空です。
安否不明の方々の捜索、排水など大変な作業が続けられています。
どうぞ熱中症などに注意してお仕事を・・・
これ以上、被害が広がりませんように。

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列島をくまなくめぐる血管が破れて黒き洪水となる   遅足

2018年07月08日 | Weblog
西日本各地を襲った豪雨はまだやみそうもありません。
東海地方も岐阜県に洪水や山崩れの危険がつづています。

亡くなった方、安否の分からない方、あわせて100人以上に。
亡くなられた方々には、心からお悔やみ申し上げます。
また被災された方々にはお見舞い申し上げます。

テレビに日本列島の河川の状態が分かる画面が出てきます。
まるで血管のように列島全体をめぐっているのが分かります。
初めてみる映像です。
洪水になったところは黒く表示されていました。
また雨が降ってきました。はやく止んでほしい。

時により過ぐれば民の嘆きなり八大竜王(はちだいりゅうおう)雨やめたまへ

実朝の歌です。




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天の川あまたの星の生まれける  遅足

2018年07月07日 | Weblog

西日本を中心に梅雨末期の集中豪雨。
これまで3人の方の死亡が確認されています。
また30人以上の方が行方不明に・・・
雨は降り止まず、さらなる被害が心配されます。

あの東海豪雨を思い出して言葉もありません。
当時は雨が降っている時は、なにが起きているのか分かりませんでした。
今は危険があらかじめ予測が出来るようになりました。
それでも亡くなる方が出ています。
警報を生かすにはさらに検証が必要なのかも・・・

また昨日は、オウム真理教の7人の死刑が執行されました。
いまでも、どこか本当にあったこととは信じられない事件です。
この事件でも大切な命が失われました。
罪を償うには死しかないのかも知れません。

人は生まれる場所や時代を選ぶことは出来ません。
ほんの少し違っていたら別の人生があったのでしょうか・・・
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さくらんぼの歌唄ってつまむさくらんぼ   静荷

2018年07月06日 | Weblog

さくらんぼの歌といえば「黄色いサクランボ」
唄っていたのはスリーキャッツ。
歌詞のなかの「ウフン」が、風紀上よろしからず、と
NHKでは放送されなかったとか。

今の時代「さくらんぼ」といえば大塚愛さんの歌だそうです。
私は聞いたことがありませんが・・・

静荷さんが唄ったのは黄色いサクランボでしょうね。
それともシャンソンの「さくらんぼの実る頃」かしら?

              

今朝も雨。列島の各地で豪雨です。京都の桂川も洪水の恐れ。
新幹線もストップ・・・。心配です。
サリン事件の主犯、松本被告の死刑が執行されたというニュース。
アメリカと中国との貿易戦争が始まったとか・・・
さまざまなニュースに心穏やかならぬ朝です。
                       遅足



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短冊の願いは銀河の向こうまで   麗

2018年07月05日 | Weblog
梅雨末期の大雨。各地で避難情報が出ています。
このあたりも一時停電しました。

あさっては七夕です。このお天気では天の川も臨めそうにありません。今年の7月7日は旧暦では5月24日。本来の七夕は8月17日だそうです。

「銀河」が秋の季語だと知りました。同じく「七夕」も秋の季語です。お盆過ぎの七夕ならうなずけますね。

この俳句は朝の連続ドラマ、「半分、青い。」を見て作りました。主人公のすずめちゃんが、「律がロボットを発明しますように」と願った短冊。
自分のことではなく友人の夢を願ってあげたその思い。銀河の彼方まで届く気がしました。

先日、あるところで七夕の短冊を書けるコーナーがあったので夫と二人で書きました。

私「大阪が一日早く復興しますように。」
夫「世界が平和になりますように。」

そういえば、私が小学生の頃、毎年この時期、祖父が庭にある笹を切って持って来てくれました。
折り紙で飾りをいっぱい作り、願い事も短冊に書き、こよりで結んだものでした。
それを七夕の翌日、川へ流しに行ってくれていました。あの頃はまだ川に流せていたのですね。
1900年生まれだった亡き祖父。
短冊を書けば優しかった祖父に願いが届くかな?

       七夕や色とりどりの願い事  麗
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かなしくて赤いチェリーを食べにけり  佐保子

2018年07月04日 | Weblog

さくらんぼが“悲しみ”の象徴だったのでしょうか。
或いは悲しみを癒やす何よりのものだったのでしょうか、と等さん。
待ち人来たらずの句でしょうか、と能登さん。

上五中七のフレーズが素敵ですね。
「かなしさ」→「赤」→「チェリー」のイメージの繋がり。
そして「食べにけり」という断定。
チェリーは悲しみの味なのでしょうか。
少し酸っぱくて甘い、大人の恋なのでしょうか?

  フルーツポンチのチェリー可愛いや先ずよける  池田澄子

           

名古屋も朝から雨です。今年の日本列島は南と北で大雨。
梅雨のなかった北海道にも梅雨のような雨です。

変ったといえば朝ドラも変わりましたね。
これまでは、さまざまな困難をのりこえて・・・というお話でした。
今回は挫折しました。単純なサクセスストーリーではないようです。
今後の展開が楽しみです。(遅足)
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独り居の幸せを噛むさくらんぼ  亜子

2018年07月03日 | Weblog

独り居とは、ただひとりでいること。ひとりだけで暮らすこと。

連れ合いを亡くして、一人で暮らすようになった友。
これまでは何事も夫に相談してきましたが、今は独り。
自分の思いのままにコトを決めることが出来る。
寂しい一方、自由も味わっています、と話していたそうです。
それを「幸せを噛む」と表現した作者です。

『没イチ』という言葉があるとか。
妻や夫など、配偶者を亡くした人たちのことだそうです。
配偶者を亡くした人は、65歳以上だけで860万人以上。
かつては子ども世帯と暮らしている人が多くいましたが、
核家族化が進む中で独り暮らしも増えているとか。(遅足)

  さくらんぼ独りぐらしの鬼喰ひす  品川鈴子

  独り居に慣れて明るき花水木  広木婦美
  
  独り居の夕暮れどきのヒヤシンス  吉田ひろし
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空蝉やひとに晩年そらに雲  遅足

2018年07月02日 | Weblog

先日、石根さんの奥さんの展覧会へ行ってきました。
マルセイユ港など内外の知られた風景が多いなか、
三千代さんの絵は「貨物駅・閑日」というタイトル。
自宅から遠くない、身の回り地味な風景です。
慎ましやかな性格が偲ばれます。

一番心惹かれたのは絵のなかの空気感。
透き通った空気が感じられるのです。
残念ながら写真ではそこまでは映っていませんが。

10年以上、三千代さんの絵を見てきましたが
この絵の空気が一番澄み切って感じられました。
ある境地に達した作品ではないでしょうか。

亡くなられた三千代さんは、示現会の古くからの会員。
愛知県支部の副支部長としても活躍されてきました。
もう絵が見られないのは寂しいことです。

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頬押せば丸く飛び出すさくらんぼ   すみ

2018年07月01日 | Weblog

さくらんぼを遠くへ飛ばす遊びなのか、
自身の時間つぶしの様子なのか・・・。
子供のかわいい頬をつつくといった様子も見えそうです。
楽しそうな句ですね、と結宇さん。

さくらんぼは、口に入れても直ぐには噛まないようです。
しばらく口の中で転がして楽しんでいませんか?

子供が幼い時頬が膨らんでいたので押したところ
朝食べたさくらんぼが、そのまま飛び出し驚きました、と作者。

長い間、口のなかに入れたまま楽しんでいたのですね。
中七の「丸く飛び出す」が良いですね。
写生の効いた良い表現です。

  口びるで弄びをりさくらんぼ  角田信子

  さくらんぼ人間の口皺多し  瀬川照子

          

朝一番でじゃがいもの収穫に。今年は成績優秀です。
全国的に豊作とのことです。
これで梅雨があけるのでしょうか?   遅足




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