日本男道記

ある日本男子の生き様

抜け雀

2008年10月05日 | 私の好きな落語
【まくら】
落語には、左甚五郎の逸話がたくさんある。そのほとんどが、甚五郎の作った木製品が動き出したというもので、講談や浪曲から移植された。「三井の大黒」「竹の水仙」「ねずみ」など、今もよく高座にかけられている。
この「抜け雀」も、名人の作品が奇跡を起こすので、甚五郎物と同類だが、絵から抜け出す雀を書いた者も、鳥かごを書き添えたその父親も、二代続く名人でありながら、どこの誰だか分からない。これは講談では許されないことで、落語でも珍しい。
上方から来た噺で、上方では代々の文枝が得意にしていたという。現在では米朝がやっている。東京へ移されたのは、明治時代だと思われるが、戦後は古今亭志ん生の独壇場で、それが息子の馬生と志ん朝に伝わった。

【あらすじ】
旅籠屋立花屋に、みすぼらしい旅人がやってくる。しばらく逗留しているが、宿賃を全く支払ってくれない。外見で客を判断してはいけないと言うが、この客は、初めから文無しだったようだ。
困った亭主が、仕事を尋ねると、画工だと言う。そこで、人の良い亭主は、宿賃の代わりに絵を画いてくれと言うと、彼は亭主に墨を摺らせ、新しい屏風に雀の絵を描く。そして、ぷいと出たきりになった。
ところが、その晩になると、絵から雀が抜け出し飛び交っている。これが評判となって、お客は連日連夜、絶えなくなった。
そこへ、画工の父らしき老人が泊まりに来た。我が子の絵の出来を当初褒めていたが、「これでは、いずれ雀が死んでしまう」というと、亭主はびっくり。「なんとかなりませんか」と相談すると、その老人は、篭を画き添えると、雀は一斉に、そこで羽を休めた。
そうすると、さらに評判を呼び、大名から所望されるまでになった。
さて、そうこうするうち、数年後、あの画工が江戸で名高い画家になって、立花屋にたずねてきた。亭主たちは歓待し、あの絵を見せると、鳥篭が画き添えてある。落款を見ると、我が父。彼は、しみじみと感嘆して、自分の親不孝を恥じて、むせび泣き。
亭主が理由を聞くと、「されば、親にカゴをカカセタ」のオチ。

【オチ・サゲ】
ぶっつけ落ち(勘違いをして終わるもの)

【語句豆辞典】
【ねだ】建物の敷板を下から支える横木。
【黒羽二重】羽二重は絹織物の一種で、礼服や羽織の裏に使われる上等なもの。その黒地のものである。
【五つ所紋】紋が五ヶ所についている紋付き。
【仙台平】はかま地の一種。良質なもので、仙台藩主伊達政宗の命により、西陣の八右衛門が織ったので、この名がついたという。

【この噺を得意とした落語家】
・五代目 古今亭志ん生
・十代目 金原亭馬生
・三代目 古今亭志ん朝

【落語豆知識】
【あがり口】芸人が高座に出るための出入り口
 




Daily Vocabulary(2008/10/05)

2008年10月05日 | Daily Vocabulary
6411.sooner rather than later(意外に早く、割合早く、割合すぐに、すぐにでも)
I'd like to do it sooner rather than later.
6412.work for(~に都合がいい、予定が合う)
That work for us.
6413.get started on(~を始める)
Let's get started on this sooner rather than later.
6414.make an announcement(アナウンスをする、発表する)
It's better to make an announcement sooner rather than later.
6415.work against(~に不利に働く[作用する]、~に反する働きをする)
The soaring oil price is now working against almost every business in our counry.
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